(「陸軍」事務用箋)
【国家機密】
比島の取扱に関する件 昭和17.1.7
比島は米国の羈絆より解放し、将来、現地域を以て大東亜の一圏として独立せしむるものとす。
帝国の爾後の戦争遂行、特に対中立国施策を容易ならしむる為、右を速に中外に声明す。
「註」 独立に関する細部は別に定む。
[書き込み](本件は別添総理演説案決定の中に含まれ、右決定に依り確定せるものと認
本案の利
1. 帝国の戦争目的が侵略にあらずして、道義に基づく新秩序の建設にあるを明らかにし、之に依り
(イ) 対中立国(西、葡、伯、亜、智等)施策を容易ならしむ。
(ロ) 抗日支那民族を覚醒せしむ。
(ハ) 米国民の対日戦意を弱化せしむ。
(ニ) ビルマ、インド等の独立運動を助成す。
2. 汎米外相会議開催中の好機に投ず。
本案の不利
1. 対米講和を困難ならしむることあり。
2. 蘭印等南方占領地民族の独立機運を刺激し、□が処理を困難ならしむ。
↑フィリピン取扱ニ関スル件(昭一七、一、七)
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02032970800