Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

海軍省へ横浜状况に関し口頭報告覚書 1923.9.4

財部彪大臣花押 ✔[大角岑生軍務局長]
内務省-情報 9-4 □□受 膠州艦長報告(艦長) 

                特務艦膠州
  海軍省へ横浜状況に関し口頭報告覚書

一、膠州は横浜地方警備隊司令官、奥原少将以下二百二十五名を輸送し、四日午前八時、揚陸を終る。

二、之れより先き横浜に到著し居たる陸兵は、連隊長の指揮する二ヶ小隊のみなり。

三、群馬県巡査百二十名は横スカ敷設艇にて四日午前八時、芝浦より到著、直に揚陸せり。残り百二十名のものは陸行して四日中に到著の見込。
以上の外、市内に在る巡査は約一千名なるも、疲労甚しく、実力は約三分の一弱の見込。

四、海軍陸戦隊は山城艦長指揮の下に、山城より二ヶ小隊、五十鈴より一ヶ分隊派遣し、市内の警備に任じつつあり。

五、市長、知事は桜木町に在りと云ふ。

六、市外との陸上交通は、道路阻害と鮮人に対する恐怖の為め全く杜絶す。

七、鮮人は二三百名集団しつつありとの説あるも、流言なるが如く、せいぜい五六名一団となりたる者多きが如し。

[×八、社会主義者は勉めて捕縛しつつ在り×]

九、市街は本牧、北方の一部約二百軒残れるを最大とし、此の他は山の手の一小部分残れるものみ。

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財部彪大臣花押 ✔[大角岑生軍務局長]
内務省-情報 9-4 ⬜受 膠州艦長報告 (艦長) 

[青スタンプ]特務艦膠州
[以下 カーボン複写]海軍省ヘ横浜状况ニ関シ口頭報告 覚書

一、膠州ハ横浜地方警備隊司令官 奥原少将以下二百二十五名ヲ輸送シ 四日午前八時 揚陸ヲ終ル

二、之レヨリ先キ横浜ニ到著シ居タル陸兵ハ 聨隊長ノ指揮スル二ヶ小隊ノミナリ

三、群馬県巡査百二十名ハ横スカ敷設艇ニテ四日午前八時 芝浦ヨリ到著 直ニ揚陸セリ 殘リ百二十名ノモノハ陸行シテ四日中ニ到著ノ見込
以上ノ外 市内ニ在ル巡査ハ約一千名ナルモ 疲勞甚シク実力ハ約三分ノ一弱ノ見込

四、海軍陸戦隊ハ 山城艦長指揮ノ下ニ 山城ヨリ二ヶ小隊 五十鈴ヨリ一ヶ分隊派遣シ 市内ノ警備ニ任シツヽアリ

五、市長 知事ハ桜木町ニ在リト云フ

六、市外トノ陸上交通ハ道路阻害ト鮮人ニ對スル恐怖ノ為メ全ク杜絶ス

七、鮮人ハ二三百名集團シツヽアリトノ説アルモ流言ナルカ如ク セイゼイ五六名一團トナリタル者多キカ如シ

[×八、社会主義者ハ勉メテ捕縛シツヽ在リ×][鉛筆で抹消線]

九、市街ハ本牧、北方ノ一部 約二百軒 殘レルヲ最大トシ 此ノ他ハ山ノ手ノ一小部分 殘レルモノミ

 

↑大正12年 公文備考 変災災害付属 巻6
海軍省-公文備考-T12-174-3057
横浜方面 C08051002100
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/C08051002100