【岡田】印 財部彪花押
前内相職を辞して、新内相未だ命を拝せず、前後の内閣を通じて国務大臣たるは実に閣下あるのみ。
斯く絶大なる天変地異に対し遭難者を救助するは、縄墨に拘泥せず一大英断を以て無制限に救恤せられんことを切望す。
救恤方法若し一歩を誤らんか、人心忽ち悪化し、或は革命擾乱を起こさんも測り難し。
府庁警衙の調査等一切を擲[なげう]ち、唯無制限に救済せられたし。
茲に閣下の勇断果決を祈る
大正十二年九月三日
太刀川又八郎
財部彪閣下
[名刺]
小田原ヘ舩ヲ出シテクレ
北白川宮附
宮内屬 梅田次郎
東京市芝區高輪南町十七番地
【岡田】印 財部彪花押
前内相 職ヲ辞シテ新内相 未タ
命ヲ拜セス 前後ノ内閣ヲ通シテ
国務大臣タルハ實ニ閣下アルノミ
斯絶大ナル天変地異ニ對シ遭難
者ヲ救助スルハ 縄墨ニ拘泥セス
一大英断ヲ以テ無制限ニ救恤セラ
レンコトヲ切望ス
救恤方法 若シ一歩ヲ誤ランカ 人心
起サンモ測リ難シ
府廳警衙ノ調査䓁 一切ヲ
擲チ唯 無制限ニ救済セラレタシ
茲ニ閣下ノ勇断果決ヲ祈ル
大正十二年九月三日
太刀川又八郎
財部彪閣下