Obladi Oblako 資料室

帝国日本の専制と侵略戦争、植民地支配について知り、考えるための文書資料

「学生に与ふ」 文部大臣 荒木貞夫 内閣情報部編集「写真週報」第25号より 1938.8.3

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   学生に与ふ   文部大臣 荒木貞夫

 今次支那事変を以て、東亜の一局面に限られた聖戦であるといふが如き解釈が、国民の如何なる層にも絶対にあってはならぬ。実に、今次事変は、世界に、新たな歴史的創造をもたらす、重大な要因を含んで居り、日本自身も亦、事変の進展に沿つて、未だ曾て見ざる画期的転換を体験しつつあることを、深く認識しなければならぬのである。
 われわれは、国際的には、新たなる秩序と平和を確立し、国内的には肇国の理想を今こそ顕現すべく、協力一致、起たねばならぬ秋である。
 抑々、学生·生徒は、国家活力の源泉であり、国民の後勁である。又、国家が、国際上に於ける価値は、実にその国風が列国の尊敬と信頼を得るや否やに懸り、一国の風格は、その国の未来を担う学生·生徒の徳操の如何に依る。この重大なる時局に当って、国家が、その清新なる力に期待する所、真に大なるものがある所以である。
 学生·生徒は、烈々たる日本精神を通して東西の文化を融合し、将来の皇国を担う自らの矜りと新しき世界観に生き、その本分とする処の学究に全力を傾注することに依って、所謂知的動員に参加、ひいては文化国防の第一線に立たねばならぬ。
 学生·生徒は、その教養、能力、一般大衆より遥か高い水準にある。いやしくも社会の指弾を受くることなく、寧ろ、その品位を高め、風尚を養ひ、学徒の面目を堅持、以て國民の範となり、よく時局に対處して青年日本の力強き存在を中外に顕揚されたい。

             撮影 土門 拳


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   學生に與ふ   文部大臣 荒木貞夫

 今次支那事變を以て、東亞の一局面に限られた聖戰であるといふが如き解釋が、國民の如何なる層にも絶對あつてはならぬ。實に、今次事變は、世界に、新たな歴史的創造をもたらす、重大な要因を含んで居り、日本自身も亦、事變の進展に沿つて、未だ曾て見ざる劃期的轉換を体驗しつつあることを、深く認識しなければならぬのである。
 われわれは、國際的には、新たなる秩序と平和を確立し、國内的には肇國の理想を今こそ顯現すべく、協力一致起たねばならぬ秋である。

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 抑々、學生生徒は、國家活力の源泉であり、國民の後勁である。又、國家が、國際上に於ける價値は、實にその國風が列國の尊敬と信頼を得るや否やに懸り、一國の風格は、その國の未来を擔ふ學生生徒の德操の如何に依る。この重大なる時局に當つて、國家が、その淸新なる力に期待する所、眞に大なるものがある所以である。

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 學生生徒は、烈々たる日本精神を通して東西の文化を融合し、將來の皇國を擔ふ自らの矜りと新しき世界觀に生き、その本分とする處の學究に全力を傾注することに依つて、所謂知的動員に參加、ひいては文化國防の第一線に立たねばならぬ。
 學生生徒は、その敎養、能力、一般大衆より遙か高い水準にある。いやしくも社會のさ指彈を受くることなく、寧ろ、その品位を高め、風尚を養ひ、學徒の面目を堅持、以て國民の範となり、よく時局に対處して靑年日本の力强き存在を中外に顯揚されたい。

             撮影 土門 拳

↑写真週報25号 https://www.jacar.archives.go.jp/das/meta/A06031062000