Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「この頃、兵が女捜しに方々をうろつき、いかがわしき話を聞くこと多し。これは、軍が平時状態になるたけ避け難きことであるので、寧ろ積極的に施設をなすを可と認め、兵の性問題解決策に関し種々配慮し、その実現に着手する。」 上海派遣軍(第一次事変時)高級参謀、岡部直三郎の日記から 1932.3~4

三月十四日(月)曇

前日来寒気強かりしが、本日天候稍〻回復す。

○朝、永見中佐は今中中佐を伴い、陣地視察に赴く。

○この頃、兵が女捜しに方々をうろつき、いかがわしき話を聞くこと多し。これは、軍が平時状態になるたけ避け難きことであるので、寧ろ積極的に施設をなすを可と認め、兵の性問題解決策に関し種々配慮し、その実現に着手する。主として、永見中佐これを引き受ける。

○渉外事項多し。

1 外人の戦場見物許可願

2 日本兵の与えたる財産に対する損害の訴え

3 交通事故

4 武装兵の日本軍警備区域外の他の租界の侵入

5 外人の我軍秘密事項の無断撮影等

○陣地編成企画成り、これを命令化し実行に着手する。

○長期駐屯を顧慮し、呉淞方面及び上海東北地区に、兵営の建築を命じる。

[以下略]

三月十七日(木)晴

軍紀風紀の問題頻発し、憂慮すべきものあり。特に各隊長を集め、軍参謀長より注意せらる。

[以下略]

四月二十日(水)快晴

[前略]

○自動車事故、その他不慮災害頻発し、戦闘中止以来の犠牲百に上らんとするの傾向なるを以て、参謀長をして一般の注意を喚起せしむべく、その口演要旨を記述す。

 軍紀風紀に関する事項

 自動車事故

 不慮災害に関する事項

[以下略]

『岡部直三郎の日記』1982年、芙蓉書房、p.23, p.25, p.40