Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「教育の目的 各部隊の瓦斯勤務員および基幹人員に対し各種瓦斯用法、特にきい弾を利用する戦斗の要領ならびに之が為必要なる防護の要領を体得せしめ、以て兵団将来の化学戦遂行に遺憾なきを期するにあり」 萱島兵団本部 化学戦教育計画 1940.10.4

化学戦教育計画
昭和十五年十月四日
萱島兵団本部

化学戦教育計画

第一 教育の目的

一、各部隊の瓦斯勤務員 及 基幹人員に対し各種瓦斯用法 特にきい弾を利用する戦斗の要領 並に之が為 必要なる防護の要領を体得せしめ 以て兵団将来の化学戦遂行に遺憾なきを期するにあり

第二  教育要領

二、教育時期 及 場所

時期 自 十月七日
   至 十月十七日

場所 当陽西南方地区(附表第一の如し)

三、主要教育科目

1. きい弾の実効に対する正当なる認識の養成

2. 各種瓦斯弾 特にきい弾射撃を利用する戦闘の要領

3. 実戦の経験に基くあか筒の大規使用法 並に成果利用

4. あか筒の小規模使用法 特に発射あか筒の利用法

5. 瓦斯防護

四、教育予定

附表 第二の如し

五、統監部員 並に教官

統監部員 並に教官人名表 附表第三の如く 其の任務分担 附表第四の如し

六、専習員

専習員参加出場人員 附表第五の如し

七、参加部隊

高森部隊、松浦部隊、森山部隊の各一中隊

八、集合 及 服装

イ、集合

統監部員並に教官……十月七日 0900
専習員 及 演習参加部隊中隊長……十月九日 1200

場所 松浦部隊本部

ロ、服装

軍装(背嚢を除く)被甲、携帯天幕、円匙、毛布三を携行するものとす
(修理完全にして程度良好なる靴を履行すること)

第三 警戒救護

九、警戒

酒井部隊より十月九日 将校の指揮する約100名を差出し 統監 高森大佐の指揮下に入らしめ 演習場四周を警戒せしむ(警戒概要 附表第一の如し)

中、救護

兵団本部 及 松浦部隊より救護班を編成し 演習に参加せしむ 其の編成 附表第六の如し

第四 秘密保持 並に危害予防

十一、本教育間 企図の秘匿 並に不注意に起因する危害の発生予防に就ては十分留意し 特に新兵器使用を察知せられざることに就ては万全の処置を講ずるものとす
之が為 特に資材の輸送 演習場の警戒 並に教育の為 使用せるきい剤 及 きい弾 弾痕地帯の処理、不発弾 破片等の署長、写真撮影、説明事項筆記等に就き留意するの外 統監は必要の事項を規定し 万遺憾なきを期するものとす

第五 宿営給養

十二、宿営は煙攻撃地附近に露営し 擴部隊毎に設備 炊事を行ふものとす 細部の位置は統監 之を定む
補給は兵団本部の担任とす

第六 資材

十三、教育用資材使用区分 及 所要材料 附表第七 第八の如し

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⬆陣中日誌 自昭和15年10月1日至昭和15年10月30日 独立山砲兵第3連隊(2)
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