朕 茲に帝国議会開院の式を行ひ 貴族院 及 衆議院の各員に告ぐ 帝国と締盟各国との交際は益々親厚を加ふ 朕 深く之を欣ぶ 朕が将兵は克く艱難を排して 己に支那の要域を戡定したり 然れども東亜の新秩序を建設して 東亜永遠の安定を確保せんが為には 実に国民精神の昂揚と 国家総力の発揮とに俟たざるべからず 朕は挙国臣民の忠誠に倚信し 所期の目的を達成せむことを期す 朕は国務大臣に命じて 昭和十四年度 及 臨時軍事費の予算案を各般の法律案と共に帝国議会に提出せしむ 卿等 其れ克く時局の重大に稽へ和衷審議 以て協賛の任を竭さむことを期せよ
朕茲ニ帝國議會開院ノ式ヲ行ヒ
貴族院及衆議院ノ各員ニ告ク
帝國ト締盟各國トノ交際ハ益〻親
厚ヲ加フ朕深ク之ヲ欣フ
朕カ將兵ハ克ク艱難ヲ排シテ已
ニ支那ノ要域ヲ戡定シタリ然レト
モ東亞ノ新秩序ヲ建設シテ東
亞永遠ノ安定ヲ確保センカ爲ニ
ハ實ニ國民精神ノ昂揚ト國家
總力ノ發揮トニ俟タサルへカラス
朕ハ擧國臣民ノ忠誠ニ倚信シ
初期ノ目的ヲ達成セムコトヲ期ス
朕ハ國務大臣ニ命シテ昭和十四年
度 及 臨時軍事費ノ豫算案ヲ各
般ノ法律案ト共ニ帝國議會ニ提
出セシム卿等其レ克ク時局ノ重大ニ
稽ヘ和衷審議以テ協贊ノ任ヲ
竭サムコトヲ期セヨ
↑第七十四回帝国議会開院式勅語
https://www.jacar.archives.go.jp/das/meta/A14110373300
JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A14110373300、第七十四回帝国議会開院式勅語(国立公文書館)