明治元年､日韓尋交のため宗対馬守より朝鮮国礼曹に贈るの書　1868. 9

明治元年日韓尋交のため宗対馬守より朝鮮国礼曹に贈るの書

【史材二】
【校了】
【参考】

明治元年三月二十三日
　　　　　　　　　　　　　　　　宗対馬守[あて]

　今般、　王政御一新、すべて外国御交際の儀、朝廷において御取り扱ひあらせられ候ふについては、朝鮮国の儀は古[いにしへ]より来往の国柄、御威信を立てさせられ候ふ　御旨趣につき、これまでの通り両国交通を掌[つかさど]り候ふ様、家役に命ぜられ候ふ。対朝鮮国御用筋取り扱ひ候ふ節は、外国事務輔の心得をもって相勤むべく候ふ条[→様?]、　仰せ付けらる。もっとも御国威相立ち候ふ様、尽力いたすべき　御沙汰に候ふこと。

ただし　王政御一新の折から海外の儀、別けて厚く相心得、旧弊等一洗いたし、きっと御奉公これあるべく候ふこと。

【史材二】

　　　　　　　　　　　　　　　　宗対馬守

　今般、幕府廃せされ　王政一新、万機
御宸断をもって仰せ出だされ候ふについては、今後、朝鮮御取り扱ひの事件等、すべて　朝廷に従ひ　仰せ出ださるべく候ふ条、この旨朝鮮国へ相達すべき　御沙汰に候ふこと。

［書込：元年太政来?］

［付箋：添書?ナシ］

【史材二】

　　　　　　　　　　　　　　　　宗対馬守

一、大政御一新につき幕府御廃の儀、その方より朝鮮国へ相達し申すべきこと。

一、その藩儀、従前、金穀等これまで幕府の救助をもって国民撫育、かつ武備等までも整へ来たり候ふについては、追って御商議の上、相当の御沙汰これあるべく候ふこと。

一、朝鮮国応酬の礼式その他、御国体に御関係いたし候ふ事件等、天下平定の上、
仰せ出だされ候ふこと。

　　六月

　御沙汰候ふこと。

【史材二】

　　遣礼曹参判大修使書

　日本国左近衛少将対馬守平朝臣　義達　奉書
　朝鮮国礼曹参判公　閣下
　　維時季秋宓惟
　貴国協寧仰祝曷極我
　邦
皇祚聯緜
　一系相承
　総攬
　大政二千有余歳矣中世以降兵馬之権挙委将家外国
　　交際并管之至将軍源家康開府於江戸亦歴下十余
　　世而昇平之久不能無流弊事与時乖戻爰我
皇上登極更張
　綱紀
　親裁万機欲大修
　　隣好而
　貴国之於我也
　　交誼已尚矣宣益篤懇款以帰万世不渝是我
皇上之
　誠意也乃差正官平和節都船主藤尚式以尋
　　旧悃菲藻?土宣略効遠敬惟希
　　照亮粛此不備

　　　　　［下札］正官平和節
　　　　　　　　　　　通称樋口鉄四郎正使執政職
　　　　　　　　　都船主藤尚式
　　　　　　　　　　　通称薦田多記副使

【史材二】

　　慶応四年戊辰九月　日
　　　左近衛少将対馬守平朝臣　　義達

　　　別副

　　貼金中屏風弍双
　　大和朱三竹
　　彩画枕子桂硯弍備
　　革裏大簿匣壱備
　　彩画壱尺匳鏡壱面
　　赤銅累五盥盤弐部
　　青金火爈弍囲

　　　　［下札：新印【平朝臣　戊辰年御指揮?ニ?
　　　　　　　　　　　義達章】依り鋳造する所
　　　　　　　　　　　　　　　図書と称する者］

　　　慶応四年戊辰九月　日
　　　左近衛少将対馬守平朝臣　義達

　　遣礼曹参議大修使書

　日本国左近衛少将対馬守平朝臣　義達　奉書
　朝鮮国礼曹参議公　閣下
　　季秋遐惟
　貴国寧欣?挊曷已我
　邦
皇祚聯緜
　一系相承
　総攬
　大政二千有余歳矣中世以降兵馬之権挙委将家外国
　　交際并管之久昇平之不能無流弊事
　　与時乖戻爰我
皇上登極更張
　綱紀
　親裁万機欲大修
　　隣好而
　貴国之之於我也
　　交誼已尚矣宣益篤懇款以帰万世不渝是我
皇上之
　誠意也乃差正官平和節都船主藤尚式以尋
　　旧悃不腆土物聊表徵悃惟希
　　照亮粛此不備