支那渡航婦女の取締に関する件　外務大臣広田弘毅　1938. 5. 10

［｢外務省｣事務用箋］

【機密】

米三機密合第七二三号
　　昭和十三年五月十日
　　　　　　　　　　　外務大臣広田弘毅

　　支那渡航婦女の取締に関する件

二月二十八日付、米三機密第二八六号往信をもって送付せる内務省警保局長発、各庁府県長官あて訓令は、内地各地において適当に履行せられ居るところ、右の結果、現在、支那各地においてこの種渡航者多きに失し、取締りその他につき種々の困難を招きつつありとの声を耳にするに至れるやにて、内務省においては現地の情勢に応じて前期訓令に手心を加へんことを考慮しつつあるにつきては、貴地における現在の実情に関し、各方面の意向をも参酌せられ、前記考慮に有益なるべき御意見および資料等、なるべく速やかに御回答相成りたし。

本書送付先　在北 [×平×] <京> 、南京、上海、天津、山海関、青島、済南、博山、張家口、芝罘各公使館長

https://www.jacar.archives.go.jp/das/image-j/B06050090800　100/133 右

［｢外務省｣事務用箋］

【機密】

米三機密合第七二三號
　　昭和十三年五月十日
　　　　　　　　　　　外務大臣廣田弘毅

　　　　支那渡航婦女ノ取締ニ關スル件
二月二十八日付米三機密第二八六號往信ヲ以テ送付セル內務省警保局長發各廳府縣長官宛訓令ハ內地各地ニ於テ適當ニ履行セラレ居ル處右ノ結果現在支那各地ニ於テ此種渡航者多キニ失シ取締其ノ他ニ付種々ノ困難ヲ招キツツアリトノ聲ヲ耳ニスルニ至レルヤニテ、內務省ニ於テハ現地ノ情ニ應ジテ前期訓令ニ手心ヲ加ヘンコトヲ考慮シツツアルニ付テハ、貴地ニ於ケル現在ノ實情ニ關シ、各方面ノ意嚮ヲモ參酌サセレ、前記考慮ニ有益ナルベキ御意見