[ 「大本営陸軍部」 事務用箋]
案
聖断、遂に下れること。
国体の絶対性と一億赤子の上とを思召さるる叡慮に順はざるべがらず。聖断、必ずしも吾人の信念において御結論を賜はらざりしこと、責任を感ず。この国難、正に吾人は死に勝る苦痛を共にせざるべからず。
かかる時のためとも云ふべく陶冶せられたる軍紀、いよいよ鞏化すべき団結、真に統帥中央部の真価を表現すべし。
[ 「大本營陸軍部」 事務用箋]
案
聖断遂ニ下レルコト
國體ノ絶對性ト一億赤子ノ上トヲ
思召サルル 叡慮ニ順ハサルヘカラス
聖断 必スシモ吾人ノ信念ニ於テ <御>
結
[×ハレ×] <論ヲ賜ハラ>
サリシコト 責任ヲ感ズ
此ノ國難、正ニ吾人ハ死ニ勝ル
苦痛ヲ共ニセサルヘカラス
[×此×] <斯ル>
時ノ为トモ云フへ [×キ×] ク陶冶
セラレタル軍紀、愈〻鞏
化スヘキ團結
眞ニ統帥中央部ノ真
價ヲ表現スベシ
↑「案 聖断遂に下れること」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C12120338400、最高戦争指導会議に関する綴 其2 昭和20年4月16日~9月2日(中央-戦争指導重要国策文書-1196/防衛省防衛研究所)