Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

2020-09-09から1日間の記事一覧

「況や窮乏困憊の極に達したる民衆を煽動して事端を惹起せむと企る者なきに非らざるに於てをや」 警視庁編『大正大震火災誌』(1925年)より 1923.9.1

警視庁編『大正大震火災誌』(1925年)より第二章 警戒第一節 震災直後に於ける応急警戒措置第三、近衛師団長に対する出兵の要求 此時に方り、曩に管内視察の為に出動せる田辺·柏両監察官の帰庁するあり。各警察署よりの報告亦到達せるのみならず、本庁附近…

九月一日午後七時ごろ警察署は警鐘を乱打し、警察官は和服に日本刀を帯び、自転車に乗じて町民に左のごとく警告せり。「爆弾·凶器を有する鮮人十一名、当町に襲来し、内一名捕縛さる。この者は六連発短銃と短刀を携帯す。全町は灯を減じ戸締りをせよ。」 『東京震災録 別輯』より 1923.9.1

地方における訛伝の一節として、埼玉県入間[川]町分会長の口頭報告したるもの、左のごとし。 九月一日午後七時ごろ警察署は警鐘を乱打し、警察官は和服に日本刀を帯び、自転車に乗じて町民に左のごとく警告せり。 「爆弾·凶器を有する鮮人十一名、当町に襲来…

「横須賀長官は暴動惹起を顧慮し、自兵力に依り鎮圧するの必要を認め居るを以て」 憲兵司令部報告 横須賀方面の状況 1823.9.2

軍務局長(大角) 軍務局 供覧 午後七時 報告 憲兵司令部 横須賀方面の状況 震災につき横須賀長官は暴動惹起を顧慮し、自兵力に依り鎮圧するの必要を認め居るを以て、横須賀憲兵分隊は衛戍司令官に補助憲兵使用方を協議し、昨二日より横須賀重砲兵連隊より補…

「今回の震害に因る戒厳は事変に因る戒厳と見做し、且つ其の戒厳区域は臨戦地境と見做し、陸海軍に関する諸条規の適用を為すことを得ることに致したし」 閣議案 戒厳に関する件 1923.9.7

閣議案 戒厳に関する件 今回の震害に因る戒厳は事変に因る戒厳と見做し、且つ其の戒厳区域は臨戦地境と見做し、陸海軍に関する諸条規の適用を為すことを得ることに致したし。 陸軍大臣 海軍大臣 [鉛筆で書き込み]九月七日 閣議案 戒嚴二関スル件今囘ノ震害…

「春日の途中寄港を取止め、大至急、横浜に回航、所在陸海軍と協力し、同市治安維持の任務に服せしめられたし」 電報 岡田啓介 海軍次官発 大石正吉 大湊要港部司令官宛 1923.9.2

⑪ 9-2 九月二日 済 大湊司令官宛 次官 軍艦春日を急速、塩釜又は石巻に回航せしめ、宮城県知事より東京市に送るべき食糧品輸送の任務に服せしめ、芝浦に於て当該官吏に引渡方、取計はしめられたし。依命。 (31)9/2 九月二日 済 大湊司令官 次官 食糧…

「大佐の指揮する一隊、厳重なる武装の下に大至急同市に差遣し、治安維持の任に当らしめらるる様、取計はれ度し」 電報 岡田啓介 海軍次官発 野間口兼雄 横須賀鎮守府司令長官宛 1923.9.2

28-9/2 九 二 横須賀長官あて 次官 横浜市罹災者の窮状言語に絶し、窮余形勢頗る悪化しつつあるものの如く、殆ど無警察の有様なりと云ふ。依て貴麾下、及び機関学校其の他の各部より、大佐の指揮する一隊、厳重なる武装の下に大至急同市に差遣し、治安…

「在郷軍人及びトビ職の輩、鮮人と見れば突きさす状況」 九月二日午前七時半酒匂発、自転車、 同日午後七時喜久□□門着、森山明氏談 1923.9.2

【軍務局】 花押[財部彪大臣] (海軍省岩村秘書官戻し) 九月二日午后七時着?男明氏報告 酒匂 森山中将報知 (一日午前十一時四十五分頃より) 一、小田原方面 詳細不明。酒匂よりも甚しく概倒家、二三ヶ所より大火災起り、夜九時頃迄、火焔天を焼い足[た…

「其の形跡なし」 横浜派遣山城艦長 暴動発生に関する問合せの返電 1923.9.5

【軍務局】 大正十二年九月五日 午後〇時一〇分 富士局発 長州局着 発信者 山城艦長 受信者 軍務局長 電報訳其の形跡なし。戒厳令布かれて以来、小泥棒の外、見聞せず。尚取調べ報告す。 [書き込み]暴動発生に関する状況問合せの返なり。【軍務局】 大正十…

陸戦隊報告  五十鈴艦長発 横鎮長官宛 1923.9.3

五十鈴第四六号 大正十二年十月二十四日 横浜港 五十鈴艦長 石渡武章 【五十鈴艦長之印】 海軍大臣 財部彪殿 震災関係報告の件 [中略] 九、所見 九月二日夜より三日に至る磯子方面に派遣の警衛隊は、当時強度に流言蜚語に畏怖せる住民及避難者の安定、混乱…

横浜港警備報告 五十鈴艦長提出分 1923.9.3

大臣(別) 【供覧】財部大臣花押 【岡田】次官印 軍務局(別) 官房受 九月四日【岩村】 【藤田】【坂野】 横鎮災機密第一二号 大正十二年九月三日 横須賀鎮守府司令長官 野間口兼雄 海軍大臣 財部彪殿 一、横浜港警備報告 一通 但、石渡五十鈴艦長提出の分…

海軍省へ横浜状况に関し口頭報告覚書 1923.9.4

財部彪大臣花押 ✔[大角岑生軍務局長]内務省-情報 9-4 □□受 膠州艦長報告(艦長) 特務艦膠州 海軍省へ横浜状況に関し口頭報告覚書 一、膠州は横浜地方警備隊司令官、奥原少将以下二百二十五名を輸送し、四日午前八時、揚陸を終る。 二、之れより先き横…