機密戦争日誌 第二十班
昭和 16 年 12 月 1 日
一、午後二時より四時にわたり御前会議開催。正に歴史的御前会議なり。遂に対米英蘭開戦の御聖断下れり。真に世界歴史の大転換なり。皇国悠久の繁栄はここに発足せんとす。百年戦争、何ぞ辞せん。一億国民、鉄石の団結をもって、勝利の栄光を見るまで邁進せんとす。
二、当班既往を回想し感慨無量、ここにこれを筆に尽くし難し。過去一年、当班の足跡誠に紆餘曲折、波瀾重畳、戦ひ抜き、今日に至る。
一年間の陣痛を経て、国家の戦争意志、始めて堅し。成るべき時に成るべき所に国家の方向は定められたり。これ天祐を保有する皇国の真姿ならん哉。
機密戦争日誌 第二十班
昭和 16 年 12 月 2 日
一、支那派遣軍総参謀長を東京に招致し、戦争日指導および作戦に関し指示する所ありたり。
二、当班至って閑散なり。
刻々時去り、時来るを待つのみ。
三、米、依然として帝国の企図を知らず。
戦争急襲の成功疑ひなし。
機密戰爭日誌 第二十班
昭和 16 年 12 月 1 日
一、午後二時ヨリ四時ニ亘リ御前會議開催
正ニ歴史的御前會議ナリ
遂ニ對米英蘭開戰ノ御聖断下レリ
眞ニ世界歴史ノ大轉換ナリ
皇國 悠久ノ繁榮ハ茲ニ發足セントス
百年戰爭何ゾ辞セン
一億國民鐵石ノ團結ヲ以テ 勝利ノ榮
光ヲ見ル迄 邁進セントス
二、當班既往ヲ回想シ感慨無量 茲ニ之ヲ
筆ニ盡シ難シ
過去一年 當班ノ足跡 誠ニ紆餘曲折
波瀾重疊 戰ヒ拔キ 惱ミ拔キ 遂ニ
今日ニ至ル
一年間ノ陣痛ヲ經テ國家ノ戰爭意志
始メテ堅シ 成ルベキ時ニ 成ルベキ所ニ國
家ノ方向ハ定メラレタリ 是レ天祐ヲ保
有スル皇國ノ眞姿ナラン哉
機密戰爭日誌 第二十班
昭和 16 年 12 月 2 日
一、支那派遣軍總參謀長ヲ東京ニ招致シ 戰爭日指導 及 作戰ニ關シ指示スル所アリタリ
二、當班至ツテ閑散ナリ
刻々時去リ時來ルヲ待ツノミ
三、米 依然トシテ帝國ノ企圖ヲ知ラズ
戰爭急襲ノ成功疑ヒナシ
↑機密戦争日誌 其3 昭和16年4月18日~16年12月7日
昭和16年12月 機密戦争日誌
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/C12120319500