Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「対抗者のほかは殺戮を行ふべからず。」「もし朝鮮政府危急に至り、彼より我が公使を強ひて救援を求むることある場合に至らば、…臨機、鎮圧の処分に及ぶこともあるべし。」 内閣から陸軍大臣への訓令 1984.6

     27年6月朝鮮事件

内閣よりの訓令(陸軍大臣へ)

1 出兵の目的は公使館、領事館および帝国臣民を保護するにあることに着眼すべし。

2 公使館、領事館および帝国臣民保護の手続きは、緊急の場合における臨機処分のほか、全権公使と協議すべし。もし意見合はざることあるも、兵機に係る場合のほか、公使の議に従ふべし。

3 京城のほか、各港の居留地帝国臣民を保護するためには、一々公使と協議を経るの便宜なかるべきにつき、処分の後、報告するを得べし。

4 公使官、領事館および帝国臣民を保護するため正当防御を要する場合のほかは、朝鮮国の内乱に干渉すべからざることに注意し、内地に進入すべからず。

5 各国および朝鮮人民をも場合によりては相当の保護を与ふべし。

6 対抗者のほかは殺戮を行ふべからず。

7 もし朝鮮政府危急に至り、彼より我が公使を強ひて救援を求むることある場合に至らば、さらに公使より政府の旨を伝ふべきにより、臨機、鎮圧の処分に及ぶこともあるべし。

8 もし朝鮮国国王、またはその貴顕、または各国駐在の官吏にして目前に危急の場合に迫るを見受るときは、当然、保護の処分を怠るべからず。

9 もし清国より出兵のことあらば、互に軍隊の相当なる敬礼を守り、衝突を避け、細故をもつて隣誼を敗らざることに注意すべし。

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     廿七年六月朝鮮事件

内閣ヨリノ訓令(陸軍大臣ヘ)

一 出兵ノ目的ハ公使舘 領事舘 及 帝國臣民ヲ保護スルニ在ルコトニ着眼スヘシ

二 公使舘 領事館 及 帝國臣民保護ノ手續ハ 緊急ノ塲合ニ於ケル臨機處分ノ外 全権公使ト恊議スヘシ 若シ意見合ハサルコトアルモ 兵機ニ係ル塲合ノ外 公使ノ議ニ従フヘシ

三 京城ノ外 各港ノ居畄地帝國臣民ヲ保護スル为メニハ 一〻公使ト恊議ヲ経ルノ便宜ナカルヘキニ付 處分ノ後 報告スルヲ得ヘシ

四 公使舘 領事舘 及 帝國臣民ヲ保護スル为メ正当防禦ヲ要スル塲合ノ外ハ 朝鮮國ノ内乱ニ干渉スヘカラサル事ニ注意シ 内地ニ進入スヘカラス

五 各國 及 朝鮮人民ヲモ 塲合ニ依リテハ相当ノ保護ヲ與フヘシ

六 對抗者ノ外ハ殺戮ヲ行フヘカラス

七 若シ朝鮮政府 危急ニ至リ 彼ヨリ我公使ヲ强テ救援ヲ求ムルコトアル塲合ニ至ラハ 更ニ公使ヨリ政府ノ旨ヲ傳フヘキニ依リ 臨機 鎮壓ノ處分ニ及フコトモアルへシ

八 若シ朝鮮國國王 又ハ其貴顕 又ハ各国駐在ノ官吏ニシテ目前ニ危急ノ塲合ニ迫ルヲ見受ルトキハ 当然 保護ノ處分ヲ怠ルヘカラス

九 若シ清国ヨリ出兵ノ事アラハ 互二軍隊ノ相当ナル敬禮ヲ守リ 衝突ヲ避ケ 細故ヲ以テ隣誼ヲ敗ラサルコトニ注意スヘシ

 

陸軍省戦役日記 明治27~8年戦役日記

 内閣訓令 出兵に関する任務の件
https://www.jacar.archives.go.jp/das/meta/C06021837400