新聞発表苐五一一号 三月二十五日
(参考)三月二十四日発 某所着電
上海附近では左の噂が傳はつて居る
南京政府要人等は民族観念維持の為 對日屈伏を排し 國際联盟調査委員の上海を去るを待つて 旣に日本軍の為 占領せられた地域囘復の逆襲戰を開始するに決し 全線に盛に軍隊を増加し 且 南市附近一帶には五千名以上の便衣隊を潜入せしめた.其計画は南市以南の軍隊を集結して眞茹方面に突進し 一擧に閘北及江湾方面の奪囘を計り 若し失敗に終らは南市及浦東から上海租界一帶を攻擊して極端に租界の秩序を破壞し 以て各國に導かんとするものであるとの風説が髙い
又南京に於ては中央全体会議の決議に依り和平的解決に賛成者なく 苐一線部隊は増援軍の到着と共に士氣再び旺盛となりつゝある 又南京中央党部は党部全貟を動員して蘇州泰绍観の軍隊内部に日本軍の兵力は三分の一に減したるを以て攻勢の好機であると宣傳せしめ 戰鬪熱を煽りつゝあるから 蔣介石の和平意思に反して日本軍を攻擊するに至るの虞があるとの噂がある
↑上海附近の日本軍攻撃の噂 https://www.jacar.archives.go.jp/das/meta/A03023762700 JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A03023762700、各種情報資料・上海並満洲事件ニ関スル新聞発表 陸軍省調査班