Obladi Oblako 資料室

帝国日本の専制と侵略戦争、植民地支配について知り、考えるための文書資料

昭和十三年度に於ける国民精神総動員実施の基本方針 (昭和十三年四月二十八日 閣議決定) 1937.4.28

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昭和十三年度に於ける国民精神総動員実施の基本方針
 (昭和十三年四月二十八日 閣議決定

要旨

支那事変の推移が新段階に入りたること、及び之に伴ふ内外の情勢に対する一般国民の認識を深め、此の確実なる認識に基き国民の積極的奮起を促し、その躬行すべき所を具体的に指示して之を実践せしめ、八紘一宇の大理想の下に帝国所期の目的達成に邁進せしむること。

第一 時局の真相につき国民の認識を深めんとする事項

(一)支那事変が第二の段階に入れる意義を明らかにすること。

(1) 支那事変第二段階の根本的意義

(2) 国民政府、支那軍隊及び支那国民生活の現状

(3) 事変の支那に与へたる打撃

(4) 支那の長期抵抗の現状

(5) 支那事変を繞る列国の動勢

(6) 新興支那政権の現状

(7) 北支 及 中支の政治、経済、文化各般の現状、及び我が大陸経営の意義

(二)長期戦と之に関する我が国内各般の情勢を明にすること。

(1) 国内の思想動向、並びに治安維持の現状、及び将来特に注意を要する点

(2) 我が国不足資源と其の充足の問題

(3) 公債消化力、租税負担力、物価と国民負担力 其の他 財政経済の展望

(4) 国際収支の概況とその対策

(5) 国家総動員の必要、及び其の実施計画概要

(6) 国民精神総動員の現状と今後の展開

第二 主力を注ぐべき実践事項

(一)時局の新段階に於て国民貯蓄の持つ重大意義を明にし、之が実行並びに国債の応募への協力を徹底すること。

(二)時局の進展に伴ひ物資の需給調節、物価調整及び対外払抑制の重大性を明にし、之に対し協力を求むると共に、消費節約の励行、並びに廃品の回収、及び代用品使用奨励の徹底を期すること。

(三)原始産業資源の培養開発の緊要性を明にし、之に対し協力を求め、必要農林水産物の生産の確保、馬匹の充実等を図ること。

(四)戦死者遺族、出征軍人家族、傷痍軍人及び帰郷軍人に対する対する慰藉及び後援に留意し、益々銃後後援の強化に努むること。

(五)国防の充実、産業の進展を期する為 科学振興 及 科学の実際的応用に関する国民の関心を振起すること

(六)労使協力の精神を強調し産業報国の実を挙ぐること。

(七)自治体内部の紛争等の宿弊を一掃し、自治奉公の実を挙ぐること。

(八)国民体力の向上、心身一体の鍛錬を図ると共に衣食住の改善合理化に努むること。

(九)集団的勤労奉仕運動を強化普及すること。

第三 本運動指導に関し注意すべき事項

(一)指導者網の整備、指導者養成施設の強化、並びに地方有識者の教化的奉仕の促進に努むること。

(二)指導的地位に在るものの実践躬行を求むることに重点を置き、特に官公吏の実践運動を強化すること。

(三)都市に於ける本運動に一層の努力を払ひ、都市民の自発的積極的活動を促すに努むること。之が為、実践網組織の確立を期し、特に諸会社、工場等の職場を単位とせる本運動の実施を勧奨すること。

(四)本運動の実施については努めて実践事項を具体化し、其の趣旨の普及に当たりては具体的事項に付き集中的に之を行ふこと。

(五)本運動実施に当りては施設を之に伴はしむると共に、運動の効果の査覈を怠らざること。

(六)本運動実施中は、国民教化運動方策に依る宣伝は本運動に即応して実施し、必要により国民教化運動に関する宣伝実施基本計画(昭和十二年六月二十四日次官会議決定)、別紙所定の宣伝計画は適当に之を変更すること。

国民思想善導教化及団体関係雑件 第二巻
9.昭和十二年国民精神総動員実施状況 分割5
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B04013005760 p.25