[付箋:同九年一月、竹島を朝鮮版図に決せるの件]竹島え
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[付箋:此より以下]
丙子 元禄九年 正月二十八日
天龍院公御登城、御暇御拝領遊ばされ候ふ上、御白書院において御老中御四人御列座にて、戸田山城守様、竹島の儀につき御覚書一通御渡しになられ、先年以来、伯州米子の町人両人、竹島え罷り越し、漁をいたし候ふところ、朝鮮人も彼の島え参り漁をいたし、日本人入り交り無益の事に候ふ間、向後、米子の町人渡海の儀、差し留め候ふとの御儀、仰せ渡さるなり。
〃これより前、正月九日、三沢吉左衛門方より直右衛門儀、御用につき罷り出で候ふ様にとの儀につき参上つかまつり候ふ。伯耆守殿え相尋候ふところ、因幡、伯耆え附属と申すにてもこれなく候ふ。米子町人両人、先年の通り船相渡りたきの由、願ひ出で候ふ故、その時の領主松平新太郎殿より案内これあり、已前のごとく渡海つかまつり候ふ様に新太郎殿え奉書をもって申し遣はし候ふ。酒井雅楽頭殿、土井大炊頭殿、井上主計頭殿、永井信濃守殿連判に候ふ故、考へ見候へば、大方台徳院様御代にてもこれありやと存じ候ふ。先年とこれあり候へども、その年数は相知らず候ふ。右の首尾にて罷り渡り、漁つかまつり来たり候ふまでにて、朝鮮の島を日本え取り候ふと申すにてもこれなく、日本人居住つかまつらず候ふ。道程の儀相尋ね候へば、伯耆よりは百六拾里ほどこれあり、朝鮮えは四十里ほどこれある由に候ふ。しからば朝鮮国の蔚陵島にてもこれあるべく候や。それともに日本人居住つかまつり候ふか、こちらえ取り候ふ島に候はば今さら遣はしがたきことに候へども、左様の証拠等もこれなく候ふ間、こちらより構ひ申さず候ふ様になられ如何これあり候ふや。または対馬守殿より蔚陵島と書き入れ候ふ儀、差除き返簡つかまつり候ふ様仰せ遣はされ、返事これなき内、対馬殿死去に候ふ故、右の返簡彼の国え差し置きたる由に候ふ。さ候へば刑部殿より蔚陵島の儀、仰せ越され候ふに及び申すまじきか、またはとかく竹島の儀につき一
甲
【内務省地理局】
竹島紀亊
[×【和 書 門
三一一四類
四七九〇二號
一四五函
八架】×]
655
【内 閣 文 庫
四七九〇二號
一冊
一七八函 二一架】
【内 閣 文 庫
番號:和 40902
冊数:1(1)
函號:178|655】
[「内務省」事務用箋]
[付箋:外務省ゟ□□之分]
竹島紀事
[付箋:同九年一月
竹島ヲ朝鮮
版図ニ決スルノ件]
[付箋:此ヨリ以下]
丙子 元禄九年正月廿八日
天龍院公御登城御暇御拝領被遊候上於御白
書院御老中御四人御列座ニ而戸田山城守様
竹島之儀ニ付御覚書一通御渡被成先年以來
伯州[×ゟ×]米子之町人両人竹島江罷越 致漁候所
朝鮮人も彼島江㕘致漁日本人入交り 無益之
事ニ候間 向後 米[×国×]之町人渡海之儀 被差畄候
与之御儀被仰渡也
〃是ゟ前正月九日 三澤𠮷㔫衞門方ゟ直右衞
門儀 御用ニ付罷出候様ニ与之儀ニ付㕘上
仕候處豊後守様御逢被成<御>直ニ被仰聞候者
竹島之儀 中間衆出羽守殿右京太夫殿江茂
遂内談候竹島元志可と不相知事ニ候伯耆
ゟ渡り漁以多し來候由ニ付松平伯耆守殿
江相尋候処 因幡 伯耆江附属与申ニ而茂無
之候米子町人両人先年之通り舩 相渡度之
由 願出候故其時之領主松平新太郎殿より
案内有之如已前 渡海仕候様ニ新太郎殿江
以奉書申遣候 酒井雅樂頭殿 土井大炊頭殿
井上主計頭殿 永井信濃守殿 連判ニ候故考
見候得者大形
台徳院様御代ニ而茂可有之哉与存候 先年
与有之候得共其年数者不相知候右之首尾ニ
而罷渡り漁仕來候迄ニ而朝鮮之嶋を日本江
取候与申ニ而も無之日本人居住不仕候道
程之儀相尋候得者伯耆ゟハ百六拾里程有
之朝鮮江者四十里程有之由ニ候然者朝鮮
国之蔚陵島ニ而も可有之候哉夫共ニ日本
人居住仕候可此方江取候島ニ候ハゝ今更
遣しか多き事ニ候得共左様之證據等も無
之候間此方ゟ構不申候様ニ被成如何可有
之候哉又者對馬守殿ゟ蔚陵島与書入候儀
差除返簡仕候様ニ被仰遣返事無之内對馬
殿死去ニ候故右之返簡彼国江差置多累由
ニ候㔫候得者刑部殿ゟ蔚陵島之儀被仰越
候ニ及申間敷欤又ハ兎角竹島之儀ニ付一
書名:竹島紀事
階層:内閣文庫>和書>和書(多聞櫓文書を除く)
請求番号:178-0655
保存場所:本館
人名:著者 越克明
数量:1冊
書誌事項:写本、明治、内務省
利用制限の区分:公開
旧蔵者:太政官正院地志課・地理寮地誌課・内務省地理局
竹嶋紀事 三
内閣文庫
三〇八八九號
五冊
一七八函 二一架
史一五六
内閣文庫
番號:和 30889
冊数:5(3)
函號:178|659
◯ 丙子 元禄九年 正月廿八日
天龍院公御登城御暇御拝領被遊候上於
御白書院御老中御四人御列座ニ而[て]戸田
山城守様竹嶋之儀ニ付御覺書一通御渡
被成先年以來伯州米子之町人両人
竹島江[え]罷越 致漁候所 朝鮮人も彼嶋江[え]
㕘致漁日本人入混り 無益之叓ニ候間
向後 米子之町人渡海之儀被差畄候
与之御儀被仰渡也
〃是ゟ前 正月九日 三沢𠮷左ヽ門方ゟ直右ヽ門儀
御用ニ付罷出候様ニ与[と]之儀ニ付 㕘上仕候処
豊後守様御逢被成御直ニ被仰聞候者[は]竹嶋
之儀 中間衆出羽守殿右京太夫殿江[え]も遂
内談候竹嶋元志可と不相知叓ニ候伯耆ゟ
渡り漁い多[た]し來る由ニ付松平伯耆守殿へ相尋
候処 因幡 伯耆江[え]附属与[と]申ニ而[て]茂[も]無之候
米子町人両人先年之通り舩相渡度之由
願出候故其時之領主松平新太郎殿ゟ
案内有之 如已前 渡海仕候様ニ新太郎殿江[え]
以奉書申遣候 酒井雅楽頭殿圡井大炊頭殿
井上主計頭殿永井信濃守殿連判ニ候故
考見候得者[は] 大形
台徳院様御代ニ而[て]も可有之哉与[と]存候
先年与[と]有之候得共其年数者[は]不相知候右之
首尾ニ而[て]罷渡り漁仕來候迠ニ而朝鮮之
嶋を日本江[え]取候与[と]申ニ而[て]も無之日本人
居住不仕候 道程之儀相尋候得者[は]伯耆ゟハ
百六拾里程有之 朝鮮江[え]者[は]四十里程
有之由ニ候 然者[は]朝鮮国之蔚陵島ニ而[て]も可
有之候哉 夫共ニ日本人居住仕候可[か]此方江[え]取候
嶋ニ候ハゝ今更遣しか多[た]き事ニ候得共左様之
證據等も無之候間 此方ゟ構不申候様ニ
被成如何可有之候哉 又者[は]對馬守殿ゟ蔚陵嶋
与[と]書入候儀差除返簡仕候様ニ被仰遣返叓
無之内 對馬殿死去ニ候故右之返簡彼国江[え]
差置多[た]る由ニ候㔫候得者[は]刑部殿ゟ蔚陵嶋
之儀被仰越候ニ及申間敷欤 又ハとかく
竹嶋之儀ニ付一通り刑部殿ゟ書簡ニ而[て]も
可被差越与[と]思召候哉右之様之御了簡ヒ[被]成
思召寄委可被仰聞候 蚫取ニ㕘候迠ニ而[て]
無益嶋ニ候処 此儀む春[せ]本[ぼ]ゝれ年來之通交
絶申候も如何ニ候 御威光或武威を以申勝ニ
い多[た]し候而も筋もな起事申募候儀者 不入
叓ニ候 竹嶋之儀元志可と不仕事ニ候 例年
不㕘候 異国人罷渡候故重而不罷越候様ニ
被申渡候様ニ与[と]相模守殿ゟ被申渡候 元者"[ば]川[つ]と
い多[た]し堂[た]る叓ニ候 無益儀ニ事おもくれ候ても如何
存候 刑部殿ニ者[は]御律儀ニ候間始如此申置候処
今更ヶ様ニ者[は]被申間敷与[と]之御遠慮茂[も]
可有之可[か]と存候 其段者[は]少も不苦候 我等
宜様ニ了簡可仕候間思召之通無遠慮
可被仰聞候 其方達も存寄無遠慮可
被申候 同し事を幾度も申進候段くと起[き]
様ニ候得共 異国江[え]申遣叓ニ候故度〻存寄
申進候間 思召寄 幾度も被仰聞様ニ与[と]
存ヽ[候]御事繁内ニ候故 今少筋道をも付候上ニ而[て]
達 上聞可申与[と]存候 右申渡候口上之趣其方
覚之為ニ書付遣候与[と]の御叓ニ而御覺書御直ニ
御渡被成候故 請取 拝見仕候而只今之
御意之趣有増落着申候様ニ奉存候
㔫ヽ[候]ハヽ 以來日本人ハ彼嶋江御渡ヒ[被]遊間敷
与[と]の思召ニ候哉与[と]伺申候得共 如何にも其通ニ候
重而[て]日本人不罷渡様ニ与[と]思召候由
御意被成候故 竹嶋之儀 返しヒ[被]遣候与[と]申
手尓[に]葉ニ而[て]も無御座候哉与[と]申上候得共 其段も
其通ニ候 元取候嶋ニ而[て]無之上ハ返し候与[と]
申筋ニ而[て]も無之候 此方ゟ構不申已前ニ候
此方ゟ誤りニ而[て]候共不被申亊ニ候 右被仰遣候
趣とハ少しくい違候得共 亊おもくれ可申より
少しハくい違候共 軽く相済申候方冝候間
此段御了簡被成候様ニ与[と]之御事故 とくと
落着申候 罷帰 刑部大輔江[え]可申聞由申候而
退座仕候
書名:竹島紀事
階層:内閣文庫>和書>和書(多聞櫓文書を除く)
請求番号:178-0659
保存場所:本館
人名:著者 越克明
数量:5冊
書誌事項:写本、明治15年、修史館
利用制限の区分:公開
関連:事項外務省蔵本
竹島記事 三
第一八四九號
第一〇門
第二類
竹島紀事 三
内閣文庫
番號:和 30889
冊数:5(3)
函號:178|659
◯ 丙子 元禄九年 正月廿八日
天龍院公御登 城御暇御拝領被遊候上於
御白書院御老中御四人御列座ニ而戸田
山城守様竹嶋之儀ニ付御覺書一通御渡
被成先年以來伯州米子之町人両人
竹島江罷越 致漁候所 朝鮮人も彼嶋江
㕘致漁日本人入混り交り無益之㕝ニ候間
向後 米子之町人渡海之儀被差畄候
与之御儀被仰渡也
〃是ゟ前 正月九日三沢𠮷左栄光門方ゟ直右衞門儀
御用ニ付罷出候様ニ与之儀ニ付㕘上仕候処
豊後守様御逢被成御直ニ被仰聞候者竹嶋
之儀中間衆出羽守殿右京太夫殿江茂遂
内談候竹嶋元志可と不相知叓ニ候伯耆ゟ
渡り漁い多し來由ニ付 松平伯耆守殿へ相尋
候処 因幡 伯耆江附属与申ニ而茂無之候
米子町人両人先年之通り舩相渡度之由
願出候故 其時之領主松平新太郎殿より
案内有之 如已前 渡海仕候様ニ新太郎殿江
以奉書申遣候 酒井 雅楽頭殿 土井大炊頭殿
井上主計頭殿 永井信濃守殿連判ニ候故
考見候得者 大形
台徳院様御代ニ而茂可有之哉与存候
先年与有之候得共其年数者不相知候 右之
首尾ニ而罷渡り 漁仕來候迠ニ而 朝鮮之
嶋ヲ日本江取候与申ニ而も無之 日本人
居住不仕候 道程之儀 相尋候得共伯耆ゟハ
百六拾里程有之朝鮮江者 四十里程
書名:竹嶋紀事
階層:内閣文庫>和書>和書(多聞櫓文書を除く)
請求番号:271-0145
保存場所:本館
人名:著者 越克明
数量:5冊
書誌事項:写本
利用制限の区分:公開
年月日:元禄 06 年
年月日種別:内容年
旧蔵者:外務省