其六、十二月十三日の行動
一、戦斗経過の概要
十二日夕、紫金山第一峰を攻略せし聯隊は、追撃前進に転移し、十三日午前七時半頃、第二、第三大隊は相応呼して天文台高地を占領し、同時十分、第二大隊の一部(第六中隊、機関銃小隊、工兵一小隊)太平門を占領して日章旗を城門高く掲揚せり。
聯隊は午前九時三十分、一六師作命甲第一七一号を受領し、一部を以て太平門を守備せしめ主力は下関方向に前進して敵の退路を遮断すべき命を受け、午前十時半出発、第二大隊(二中隊欠)を前衛とし、太平門─和平門─下関道を下関に向ひ前進す。而して進路の両側部落には敵敗残兵無数あり、之を掃蕩しつ前進を継続せり。
午後二時三十分、前衛の先頭下関に達し、前面の敵情を捜索せし結果、揚子江には無数の敗残兵、舟筏其他有ゆる浮物を利用し江を覆て流下しつつあるを発見す。即ち聯隊は前衛及速射砲を沿岸に展開し、江上の敵を猛射する事二時間、殲滅せし敵、二千を下らざるものと判断す。
爾後、聯隊は右側支隊と連絡し其指揮下に入れり。
[中略]
戦闘詳報第三号附表
自昭和十二年十二月十日
至昭和十二年十二月十四日
歩兵第三十三聯隊鹵獲表
より
備考
一、俘虜は処断す。
二、兵器は集積せしも運搬できず。
三、敵の遺棄死体
月日 死体(概数)
十二月十日 220
十二月十一日 370
十二月十二日 740
十二月十三日 5,500
以上四日計 6,830
備考 十二月十三日の分は処決せし敗残兵を含む。
↑南京附近戦闘詳報 歩兵第33連隊
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/C11111198100 p.34-p.36, p.43