Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「10日、漢字紙は…松井軍司令官より唐生智に対し本10日正午を限り投降を勧告せること、また我方より南京在留の外国人に退去勧吿を報ぜることも載せ」 在上海岡本総領事より広田外務大臣あて電報 1937.12.10

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昭和12年12月10日 在上海岡本総領事より広田外務大臣宛(電報)

京城内の中国軍に対する松井司令官の投降勧告を伝える中国紙報道振り報告

上海 12月10日後発 本省 12月10日夜着

第2589号

 10日、漢字紙は南京城内は各所に火災起こり、棲霞、湯山、大校飛行場は占拠せられ、光華門突破せられたるも、支那軍はなほこれを堅守すなど報じ、松井軍司令官より唐生智に対し本10日正午を限り投降を勧告せること、また我方より南京在留の外国人に退去勧吿を報ぜることも載せ、外交部発言人が蔣介石はこの国家危急のときに全国領導の責任を放棄せず難局担当の決心を有すと語り、蔣の下野を否認せること、および孔祥熙も同様、蔣介石の外遊説を否認せることなどを漢口国民社電報にて報じ、また国民政府は軍政府組織となり、朱、毛、彭らは政府部内重要分子となるべしとのロイター消息を特報し居れり。

 なほイタリーが本週中には連盟を脱退すべしとの外電を大きく掲げ、大公報短評は、右は満洲国承認と関係あり、連盟脱退の日独伊各国の結成は注目に値すと述べたり。

 北平、天津へ転電せり。

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184

昭和12年12月10日 在上海岡本総領事より広田外務大臣宛(電報)

京城内の中国軍に対する松井司令官の投降勧告を伝える中国紙報道振り報告

上海 12月10日後発 本省 12月10日夜着

第二五八九號

十日漢字紙ハ南京城內ハ各所ニ火災起リ棲霞、湯山、大校飛行場ハ占據セラレ光華門突破セラレタルモ支那軍ハ尙之ヲ堅守ス等報シ松井軍司令官ヨリ唐生智ニ對シ本十日正午ヲ限リ投降ヲ勸吿セルコト又我方ヨリ南京在留ノ外國人ニ去勸吿ヲ報セルコトモ載セ外交部發言人カ蔣介石ハ此ノ國家ノ危急ノ秋ニ全國領導ノ責任ヲ抛棄セス難局擔當ノ決心ヲ有スト語リ蔣ノ下野ヲ否認セルコト及孔祥熙モ同樣蔣介石ノ外遊說ヲ否認セルコト等ヲ漢口國民社電報ニテ報シ又國民政府ハ軍政府組織トナリ朱、毛、彭等ハ政府部內重分子トナルヘシトノ路透消息ヲ特報シ居レリ
尙伊太利カ本中ニハ聯盟ヲ脫退スヘシトノ外電ヲ大キク揭ケ大公報短評ハ右ハ滿洲國承認ト關係アリ聯盟脫退ノ日獨伊各國ノ結成ハ注目ニ値スト述ヘタリ
北平、天津ヘ轉電セリ

 

日本外交文書デジタルコレクション 日中戦争 第1冊
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/da/page25_001043.html
3 トラウトマン工作と「対手トセズ」声明の発出(PDF)より 原書p.213
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/archives/pdfs/nitchu1_06.pdf