Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「若し夫れ一朝有事に対するの備へに至つては、必らずや軍備の充実と相俟ち、広く各般の人的物的資源を統制運用して、国力全般の最高発揮を期するの総動員準備に遺算なきを要する」 国家総動員準備に関する内閣訓令 1937.5.25


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閣甲第八九号
昭和十二年五月二十五日
施行 昭和十二年五月二十七日

内閣総理大臣林銑十郎

国家総動員準備に関し別紙案に依り各官庁に訓令相成然るべし

○内閣訓令第二号   各官庁

・現下内外世局の促す所、内は庶政を一新し、外は非常の変に備へ、以て帝国存栄の基礎を鞏うし、当に挙国躍進を期すべきの機運に際会す。若し夫れ一朝有事に対するの備へに至つては、必らずや軍備の充実と相俟ち、広く各般の人的物的資源を統制運用して、国力全般の最高発揮を期するの総動員準備に遺算なきを要するは、之を既往の経験に稽へ、之を近代国防の意義に察し、明白なる所なり。

・惟ふに国家総動員準備の要は、汎く人的 及 物的資源に関して、正確精新なる調査に基き綿密周到なる計画を樹立すると共に、其の総動員上の要請を平時の施設に調和綜合して、資源の円満なる育成開発を図るに存す。即ち民力を涵養し、国力の綜合的充実を期するは、一般施政の要諦たるとともに、資源の海外に依存すること大なる我邦の現状に鑑み、特に必須の用件なりとす。

・是の故に、職を官に奉ずる者は、深く思を日新の時局に致し、職司 各〻異る所ありと雖も、苟も此の見地よりするの省察を怠らず、各般の施設をして常に国家総動員準備の要請に合致せしむるの用意あるを念とし、協力一致、斉しく庶務の核心に着眼し、本末軽重を分ち先後緩急を制して、皆 能く時勢の要求に適応せしめんことを望む。

昭和十二年五月二十七日
内閣総理大臣

皆 能く時勢の要求に適応せしめんことを望む。

昭和十二年五月二十七日
内閣総理大臣

 

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公文類聚・第六十一編・昭和十二年・第四十一巻・官職三十九・任免(内閣~雑載)より