閣甲第二六七号
昭和十二年十一月八日
昭和十二年十一月九日 官報公布
◯内閣訓令第四号 各官庁
国家総動員実施に関する件
惟ふに今次事変は、其の淵源する所 極めて遠く且 深し。其の禍根を芟除し、以て帝国不動の国是たる東亜永遠の平和の確立を期するが為には、外に膺懲の軍を進め、彼の暴戻なる軍閥政権の徹底的反省を促すと共に、内に在りては国家総動員の体制を整備し、軍需の充足 及 国民生活の確保を図り、以て挙国 其の成果を収むるに全力を注がざるべからす。即ち愈〻国民精神を昂揚して国力発揮の源泉を振作すると共に、生産力の拡充、需給の調節、配給の適正、国際収支の均衡を図り、依て以て綜合国力の拡充運用に遺算なきを期するは、刻下焦眉の急務たり。
政府が、今回 企画庁 及 資源局を統合して企画院を設置し、国家総動員の中枢機関たらしめ 以て当面の事変に対処すると共に、事変後に於ける国力の飛躍増進に備へんとする所以のもの亦 一に茲に存す。
局に当る者、克く此の趣旨を体し、各〻其の職司に従ひ和衷協力、職務に精励して国家総動員業務の完璧を期すべし。
昭和十二年十一月十日
内閣総理大臣
公文類聚・第六十一編・昭和十二年・第四十一巻・官職三十九・任免(内閣~雑載) より
「国家総動員実施ニ関シ各官庁ニ訓令ス」
https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M0000000000001765403