Ob-La-Di Облако 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

閣議決定「朝鮮総督府部内臨時職員設置制中を改正す」より「経済統制に伴ふ警察事務に従事する者の増員説明」 1944.7.6 

経済統制に伴ふ警察事務に従事する者の増員説明

 戦力増強上、戦時物資の増産は刻下の急務なる処、之が生産の現況を看るに、猶幾多の隘路の存するは遺憾とする処なり。而して其の生産阻害の原因は、資材、労務、輸送力等の全からざるに存すとは謂ひ、就中、労務の不足乃至稼働率の低位、移動の頻発等が其の重要なる原因を為すものなるを以て、朝鮮に於ても労務所管局に於て客年十月「生産増強・労務強化対策」を樹立し、勤労動員の強化、労務者移動防止、稼働率の向上、勤労管理の改善等に付積極的施策を進めつつある処、朝鮮の現状に於ては之が実効挙揚を期する為には労務調整令、国民徴用令等法令の違反取締を是正強化すると共に、警察の有する強力なる組織網と統制ある実践力を以て指導・協力することこそ最も効果的なり。而して警察部門に於ては産業経済界の実相に通暁せる経済警察に於て之を掌るを適切と認め、客年来、労務当局と緊密なる連絡をとり、労務対策に即応して取締の強化に依る協力を為しつつある処、其の成果見るべきものあり。

 翻て□内に於ける労務事情を観るに、支那事変以来、急激なる諸産業の振興と、之に対応する能力の開発、交通施設の拡充等に因り労務需要は益々飛躍的に増大し、昭和十八年度に於ては国民動員計画に基き本府に於て斡旋せるもののみにても138,438名の多きに達し、本年度は本府斡旋鮮内供出105,000名、内地・南洋方面供出300,000名、軍要員30,000名、計435,000名、其の外、道内に於て操作すべき工場、鉱山、土建其の他に於て要望しつつある見込要員は100万名以上を□□せられ、且、本年度以降は徴兵令の実施に伴ふ壮丁の徴収ある等、加速度的に労務の□的逼迫を来たすと共に、一面、半島に於ける民衆は民度低き為に戦時下に於ける労務の重要性に関する認識猶ほ浅く、勤労報国隊の出動をも斉しく徴用なりと為し、一般労務募集に対しても忌避・逃走し、或は不正・暴行の挙に出ずるものあるのみならず、未婚女子の徴用は必至にして、中には此等を慰安婦と為すが如き荒唐無稽なる流言巷間に伝はり、此等悪質なる流言と相俟つて労務事情は今後益々困難に赴くものと予想せらる。

[上部余白:総督府労務課→道労務課→警察]

而して労務の逼迫化に伴ひ□に第一次二月八日、第二次四月八日の現員徴用を実施し、更に第三次徴用も目下計画中なるが、鮮内外に於ける労務者の供給確保の為には、労務動員手段の強化、労務者移動防止、稼働率の向上は必至にして、之が成果を発揚する為には、

1. 国民徴用令・労務調整令違反の絶滅

2. 労務に関する悪質流言の取締

3. 徴募工場、鉱山、事業場に於ける労務者の就労確保(移動防止、稼働率向上、労務斡旋等)の援助

4. 本府斡旋労務者の供出に対する協力

5. 日傭労務者統制機関(労務報公会)の指導

6. 生産増強賃金対策の維持(賃金等政令違反取締)

等、警察力を以て指導・取締を強化すると共に濃厚なる協力・援助とを必要とす。然るに警察に於ける既往配置職員は戦時下激増する諸般の事務に専念し全く余裕なきを以て、道に警部三名、警部補七名を増員し、第一線に於ける経済警察機構の充実を図り、総合生産増強諸施策との関連に於て其の警察的裏付けとして随時適切なる措置を講じ、第一線活動に機動性を賦与し、計画生産の完遂と治安維持に万遺憾なきを期せんとす。

 

經済統制ニ伴フ警察事務ニ從事スル者ノ增員説明

戰力增强上戰時物資ノ增產ハ刻下ノ急務ナル處之ガ生產ノ現況ヲ看ルニ猶幾多ノ隘路ノ存スルハ遺憾トスル處ナリ而シテ其ノ生產阻害ノ原因ハ資材、勞務、輸送力等ノ全カラザルニ存ストハ謂ヒ就中勞務ノ不足乃至稼働率ノ低位、移動ノ頻發等ガ其ノ重要ナル原因ヲ爲スモノナルヲ以テ朝鮮ニ於テモ勞務所管局ニ於テ客年十月「生產增强勞務强化對策」ヲ樹立シ勤勞動員ノ强化、勞務者移動防止、稼働率ノ向上、勤勞管理ノ改善等ニ付積極的施策ヲ進メツツアル處朝鮮ノ現狀ニ於テハ之ガ實効擧揚ヲ期スル爲ニハ勞務調整令、國民徴用令等法令ノ違反取締ヲ是正强化スルト共ニ警察ノ有スル强力ナル組織網ト統制アル實践力ヲ以テ指導協力スルコトコソ最モ効果的ナリ而シテ警察部門ニ於テハ產業經済界ノ實相ニ通暁セル經済警察ニ於テ之ヲ掌ルヲ適切ト認メ客年来勞務當局ト緊密ナル連絡ヲトリ勞務對策ニ卽應シテ取締ノ强化ニ依ル協力ヲ爲シツツアル處其ノ成果見ルベキモノアリ

翻テ□内ニ於ケル勞務事情ヲ觀ルニ支那事變以來急激ナル諸產業ノ勃興ト之ニ對応スル能力ノ開發、交通施設ノ擴充等ニ因リ勞務需要ハ益々飛躍的ニ增大シ昭和十八年度ニ於テハ國民動員計畫ニ基キ本府ニ於テ斡旋セルモノノミニテモ一三八、四三八名ノ多キニ達シ本年度ハ本府斡旋鮮内供出一〇五、〇〇〇名内地南洋方面供出三〇〇、〇〇〇名軍要員三〇、〇〇〇名計四三五、〇〇〇名其ノ外道内ニ於テ操作スベキ工場、鑛山、土建其ノ他ニ於テ要望シツツアル見込要員ハ一〇〇萬名以上ヲ□□セラレ且本年度以降ハ徴兵令ノ實施ニ伴フ壯丁ノ徴収アル等加速度的ニ勞務ノ□的逼迫ヲ來タスト共ニ一面半島ニ於ケル民衆ハ民度低キ爲ニ戰時下ニ於ケル勞務ノ重要性ニ關スル認識猶ホ淺ク勤勞報國隊ノ出動ヲモ齊シク徴用ナリト爲シ一般勞務募集ニ對シテモ忌避逃走シ或ハ不正暴行ノ擧ニ出ズルモノアルノミナラズ未婚女子ノ徴用ハ必至ニシテ中ニハ此等ヲ慰安婦ト爲スガ如キ荒唐無稽ナル流言巷間ニ傳ハリ此等惡質ナル流言ト相俟ツテ勞務事情ハ今後益々困難ニ赴クモノト豫想セラル

[上余白:總督府労务课→道労务课→警察]

而シテ勞務ノ逼迫化ニ伴ヒ□ニ第一次<二月八日>第二次<四月八日>ノ現員徴用ヲ實施シ更ニ第三次徴用モ目下計畫中ナルガ鮮内外ニ於ケル勞務者ノ供給確保ノ爲ニハ勞務動員手段ノ强化、勞務者移動防止稼働率ノ向上ハ必至ニシテ之ガ成果ヲ發揚スル爲ニハ

1. 國民徴用令、勞務調整令違反ノ絕滅

2. 勞務ニ關スル惡質流言ノ取締

3. 對象工場、鑛山、事業場ニ於ケル勞務者ノ就勞確保(移動防止、稼働率向上、労務斡旋等)ノ援助

4. 本府斡旋勞務者ノ供出ニ對スル協力

5. 日傭勞務者統制機關(勞務報公會)ノ指導

6. 生產增强賃金對策ノ維持(賃金等政令違反取締)

等警察力ヲ以テ指導取締ヲ强化スルト共ニ濃厚ナル協力援助トヲ必要トス然ルニ警察ニ於ケル旣往配置職員ハ戰時下激增スル諸般ノ事務ニ專念シ全ク餘裕ナキヲ以テ道ニ警部三名警部補七名ヲ增員シ第一線ニ於ケル經済警察機構ノ充實ヲ圖リ綜合生產增強諸施策トノ關聯ニ於テ其ノ警察的裏付ケトシテ隨時適切ナル措置ヲ講ジ第一線活動ニ機動性ヲ賦與シ計畫生產ノ完遂ト治安維持ニ萬遺憾ナキヲ期セントス

 

↑JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A03010165000、公文類聚・第六十八編・昭和十九年・第二十五巻・官職二十五・官制二十五(朝鮮総督府四)(国立公文書館)

https://www.digital.archives.go.jp/img.pdf/1657183

第80~82画面