九下 甲二
【印】
秘別第 133 号
別紙標杭建設に関する件、閣議提出す。
明治二十八年一月十二日
内務大臣 子爵 野村靖【内務大臣之印】
秘別第 133 号
標杭建設に関する件
沖縄県下八重山群島の北西に位する久場島、魚釣島は従来、無人島なれども、近来に至り該嶋へ向け漁業等を試むる者これあり、これが取締りを要するをもって、同県の所轄とし標杭建設いたしたきむね、同県知事より上申これあり、右は同県の所轄と認むるにより、上申の通り標杭を建設せしめんとす。
右閣議を請ふ。
明治廿八年一月十二日
内務大臣 子爵 野村靖【内務大臣之印】
【済】 369
内甲二 【政□】 【印】
明治廿八年一月十四日 内閣書記官 【印】
内閣総理大臣 博文 内閣書記官長 巳代治
外務大臣 光 内務大臣 花押 大蔵大臣 国武
陸軍大臣 西 海軍大臣 西 司法大臣 正あ
文部大臣 望 農商務大臣 武揚 逓信大臣 花押
別紙、内務大臣請議、沖縄県下八重山群島の
北西に位する久場島、魚釣島と称する無人島へ向
け近来漁業等を試むるものこれあるため取締りを要するについては、同島の儀は沖縄県の所轄と認むるをもって、標杭建設の儀、同県知事上申の通り許可すべしとの件は、別に差支へもこれなきにつき請議の通りにて然るべし。
指 令 案
標杭建設に関する件、請議の通り。
明治二十八年一月二十一日【印】
九下 甲二
【印】
秘別苐一三三号
別紙標杭建設ニ関スル件閣
議提出ス
明治廿八年一月十二日
【内務
内務大臣子爵野村靖 大臣
之印】
内閣總理大臣伯爵伊藤博文殿
祕別苐一三三号
標杭建設ニ関スル件
沖縄県下八重山群島ノ北西
ニ位スル久塲島魚釣島ハ從
来無人島ナレトモ近来ニ至リ
該嶋ヘ向ケ漁業䓁ヲ試ムル
者有之之レカ取締ヲ要スル
ヲ以テ同縣ノ㪽轄トシ標杭
建設致度旨同県知事ヨリ上
申有之右ハ同縣ノ㪽轄ト認
ムルニ依リ上申ノ通リ標杭
ヲ建設セシメントス
右閣議ヲ請フ
明治廿八年一月十二日
【内務
内務大臣子爵野村靖 大臣
之印】
【濟】 三六九
内甲二 【政□】 【印】
明治廿八年一月十四日 内閣書記官 【印】
内閣總理大臣 博文 内閣書記官長 巳代治
外務大臣 光 内務大臣 花押 大藏大臣 國武 陸軍大臣 西 海軍大臣 西 司法大臣 正 文部大臣 望 農商務大臣 武揚 遞信大臣 花押
別紙内務大臣請議沖縄縣下八重山群島ノ
北西ニ位スル久場島𩵋釣島ト稱スル無人島ヘ向
ケ近来漁業䒭ヲ試ムルモノ有之為メ取締ヲ要
スルニ付テハ同島ノ儀ハ沖縄縣ノ㪽轄ト認ムルヲ
以テ標杭建設ノ儀仝縣知事上申ノ通許可ス
ヘシトノ件ハ別ニ差支モ無之ニ付請議ノ通ニテ
然ルヘシ
指 令 案
標杭建設ニ關スル件請議ノ通
明治廿八年一月廿一日【印】
「沖縄県下八重山群島ノ北西ニ位スル久場島魚釣島ヘ標杭ヲ建設ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A01200793600、公文類聚・第十九編・明治二十八年・第二巻・政綱一・帝国議会・行政区・地方自治一(府県会・市町村制一)(国立公文書館 類00715100)