Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

総理大臣施政演説中対外処理方針の件 原本 1942.1.15


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【極秘】 【決定】
  総理大臣施政演説中対外処理方針の件

首題の件に関し別紙の要旨の内容を包含することとす。

           一月十五日
           連絡会議決定(原本)

 [書き込み]原文のまま至急複写すること。

一、大東亜戦争開始以来、行軍の嚮ふ所敵なく、到る処常に赫々たる戦捷を収め、短時日の内に既に大東亜に於ける敵の要衝の大部分を覆滅し、重慶政権に対しても亦、益々圧迫を強化し、又、北辺の守り磐石の安きに在り、威武を中外に宣揚しつつありますることは、誠に御同慶の至りであります。

二、大東亜の建設に当りましては、大東亜防衛の為必要なる地域及び必要なる事項に関して、帝国自ら之を領有(修文)措置し、其の他の地域及び事項に関しては、各民族の伝統、文化等に応じ、各民族をして各々其の本性を発揮せしめ、戦局の進展に伴ひ夫れ夫れ適応の処置に出づる考であります。帝国陸海軍は既に香港を占領し、比島の大部分を確保し、又、馬来半島の大部分を制圧し、更に最近に至りましては蘭印の要衝の一部を占拠(修文)するに至つたのであります。此等諸地域の内、香港及び馬来半島は多年、英国の領土であり、且つ東亜禍乱の基地でありました事実に鑑み、帝国は之を確保して、以て大東亜防衛の拠点たらしめんとするのであります。
 而して比島に関しましては、将来、同島の民衆にして帝国の真意を解し、東亜新秩序の一翼として協力し来るに於ては、帝国は欣然として之に独立の栄誉を与へんとするものであります。
 尚、蘭印(修文)、ビルマ等に就きましても帝国の企図する所は之に異なる所がないのであります。
 斯くして帝国は東亜諸民族が帝国の此の公正なる意図を真に了解し、速に此の大建設事業に参加し来らんことを希望し、且つ確信するものであります。

[書き込み]態度を改めざれば戦端に及ぶべし。至急、□れ□□□りれば□□たる

三、重慶政権が飽く迄無意義の抗戦を継続せんとするが如きは、誠に遺憾に堪へないものでありまして、帝国として愈々之が徹底的制圧を加ふるは素よりであります。帝国としてはこの際、支那四億の民が悉く従来の米英依存の旧套に捉はれず、此の世界的情勢の大変換に大局的視野を指向し、欣然として大東亜諸民族と行動を共にせんことを希望するものであります。

四、大東亜戦争の完遂及び大東亜の建設に対し之が阻止·妨碍を企図するものあるに於ては、帝国は之が徹底的制圧を断行するものでありまして、阻止·妨碍の方途の如何に拘らず、将又其の地域の如何を問はず、敢然として之が打倒·覆滅を図るものであります。

1月15日 総理大臣施政演説中対外処理方針の件

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