Obladi Oblako 資料室

帝国日本の専制と侵略戦争、植民地支配について知り、考えるための文書資料

九月四日の情況 1923

   九月四日の情況

一、警備の槪況

 各警備隊は前日来益々守備の徹底に努め、今や戒厳施行区域内の要点は概ね軍隊を以て被掩することを得、民心漸く安堵の域に達しつつあり。
 神奈川県方面も本日、奥平少将の指揮する歩兵·騎兵各一連隊の到着に依り、不安の状態より救出するを得たり。
 藤沢、鎌倉には近く在甲府歩兵連隊を配置する筈なるも、本日、取敢ず東京より騎兵部隊を急行せしめたり。
 士官学校生徒隊、整備に参加す。
 仙台、弘前、金沢、高田、豊橋、名古屋、京都方面よりも夫々部隊を招致中にして、其の先頭は本日既に
東京に到着しつつあり。
 其の他軍隊の配置は前日と大差なし。

二、救護救恤

 東京に於て編制せる特別救護班十個は本日、東京市内に於て業務を開始し、又、宇都宮より到著せる糧食(ビスケット七千二百貫、千六百貫の缶詰肉)は直ちに市民に分配せり。明後六日には更に大阪よりビスケット十万貫到着する筈。尚、満洲方面よりも糧秣を取寄せつつあり。

三、地方自警団の行動、個人の武器使用の取締に関する命令を発し、又自今、通行人の検問は軍隊、憲兵、警察官之を実施することとせり。

 

   九月五日朝の状況

一、仙台師団より派遣せられたる工兵隊及び衛生機関は昨夜、田端駅に到着し、本五日より警備及び救護の部署に就くべく、又、同師団の歩兵二連隊も本日中には到着し得る見込。

ニ、総武鉄道沿線の地方は糧食の不足、鮮人行動の過大なる風説に依り多少の騒擾を見、又、埼玉県南部は主として住民の鮮人に対する不安の感情に基因して鮮人迫害等の事故あり。該両地方には本五日、軍隊を配置する予定(詳細追報)。

f:id:ObladiOblako:20200910204724j:image  九月四日ノ情況

一、警備ノ槪況

各警備隊ハ前日來 益〻守備ノ徹底ニ努メ 今ヤ戒嚴施行區域内ノ要点ハ槪ネ軍隊ヲ以テ被掩スルコトヲ得 民心 漸ク安堵ノ域ニ達シツツアリ
神奈川縣方面モ本日 奥平少將ノ指揮スル歩兵騎兵各一聨隊ノ到著ニ依リ 不安ノ狀態ヨリ救出スルヲ得タリ
藤澤 鎌倉ニハ 近ク在甲府歩兵聨隊ヲ配置スル筈ナルモ 本日 取敢ス東京ヨリ騎兵部隊ヲ急行セシメタリ
士官學校生徒隊 整備ニ參加ス
仙臺、弘前、金澤、髙田、豊橋、名古屋、京都方面ヨ
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リモ夫々部隊ヲ招致中ニシテ 其先頭ハ本日既ニ東京ニ到著シツツアリ
其他軍隊ノ配置ハ前日ト大差ナシ

二、救護救恤

東京ニ於テ編制セル特別救護班十個ハ本日 東京市内ニ於テ業務ヲ開始シ 又 宇都宮ヨリ到著セル糧食(ビスケット七千二百貫、千六百貫ノ罐詰肉)ハ 直ニ市民ニ分配セリ 明後六日ニハ更ニ大阪ヨリ「ビスケット」十万貫到着スル筈 尚 滿洲方面ヨリモ糧秣ヲ取寄セツツアリ

三、地方自警團ノ行動、個人ノ武器使用ノ取締ニ関スル
命令ヲ發シ 又 自今 通行人ノ檢門ハ軍隊、憲兵、警察官 之ヲ實施スルコトトセリ

f:id:ObladiOblako:20200910205250j:image
  九月五日朝ノ状况

一、仙台師團ヨリ派遣セラレタル工兵隊 及 衞生機関ハ昨夜 田端駅ニ到着シ 本五日ヨリ警備 及救護ノ部署ニ就クヘク 又 同師團ノ歩兵二聨隊モ本日中ニハ到著シ得ル見込

ニ、總武鉄道沿線ノ地方ハ 糧食ノ不足 鮮人行動ノ過大ナル風説ニ依リ 夛少ノ騒擾ヲ見 又 埼玉縣南部ハ主トシテ住民ノ鮮人ニ対スル不安ノ感情ニ基因シテ 鮮人迫害等ノ事故アリ 該両地方ニハ本五日 軍隊ヲ配置スル豫定(詳細追報)

 

↑JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C08050994100
大正12年 公文備考 変災災害付属 巻1(防衛省防衛研究所)
一般関係(1)
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/C08050994100 p.21-p.23