号外
【大輔】【印】
【少輔】【印】
別携第二十二号、各府県庁へ布達いたし候ふ間、御心得のため申し入れ候ふなり。
壬申十月九日 司法大少丞
諸省宛
司法省第二十二号
本月二日、太政官第二百九十五号にて仰せ出でられ候ふ次第につき、左の件々心得べきこと。
一、人身を売買するは古来制禁のところ、年期奉公等 種々の名目をもつてその実、売買同様の所業に至るにつき、娼妓·芸妓等雇ひ入れの資本金は賍金と見なす。 故に右より苦情を唱ふる者は取糺しの上、その金の全額を取り揚ぐべきこと。
一、同上の娼妓·芸妓は人身の権利を失ふ者にて牛馬に異ならず、人より牛馬に物の返弁を求めるの理なし。故に従来、同上の娼妓·芸妓へ借すところの金銀ならびに売り掛け、滞金等は一切債るべからざること。
ただし本月二日以来の分はこの限りにあらず。
一、人の子女を金談上より養女の名目になし、娼妓·芸妓の所業をなさしむる者は、その実際上、即ち人身売買につき、従前今後、厳重の所置及ぶべきこと。
壬申 十月 司法卿 江藤新平
司法大輔 福岡孝弟
号外
【大輔】【印】
【少輔】【印】
別携 㐧廿ニ号 各府縣廰ヘ致
布達候間 为御?心得申入候也
壬申十月九日 司法大少丞
諸省宛
司法省㐧廿ニ号
本月二日 太政官苐ニ百九十
五号ニテ被 仰出候次第ニ付 左ノ
件〻 可心得事
一 人身ヲ賣買スルハ古来制禁ノ
處 年期奉公等 種〻ノ名目ヲ
以テ 其實 賣買同様ノ所業
ニ至ルニ付 娼妓藝妓等雇入ノ資
本金ハ賍金ト見倣ス 故ニ右ヨリ
苦情ヲ[×娼×]<唱>フル者ハ取糺ノ上 其金ノ
全額ヲ可取揚事
一 同上ノ娼妓藝妓ハ人身ノ権利
ヲ失フ者ニテ牛馬ニ異ナラス 人ヨリ
牛馬ニ物ノ返弁ヲ求ムルノ理ナ
シ 故ニ従来 同上ノ娼妓藝妓ヘ
借ス所ロノ金銀 並ニ賣掛 滞
金等ハ一切 債ルヘカラサル事
但 本月二日以来ノ分ハ此限ニ非ス
一 人ノ子女ヲ金談上ヨリ養女ノ名
目ニ為シ 娼妓 藝妓ノ所業ヲ為
サシムル者ハ其實際上 即チ人身
賣買ニ付 従前今後 可及厳重
ノ所置事
壬申 十月 司法卿 江藤新平
司法大輔 福岡孝弟
↑10月8日 司法大少丞 司法省第22号布告の件申入及び別紙
https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/C09120065700
陸軍省大日記 明治5年10月 諸省 2 10
明治五年 法令全書
内閣官報局
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787952/1
明治二十二年一月二十六日出版
[定價壹圓貳拾錢]
【版權所有】
↑https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787952/763
司法省
◯第二十二號(十月九日)
本月二日太政官苐ニ百九十五号ニ而被 仰出候次第ニ付 左ノ件々可心得事
一 人身ヲ賣買スルハ古來制禁ノ處年期奉公等種々ノ名目ヲ以テ其實賣買同様ノ所業ニ至ルニ付娼妓藝妓等雇入ノ資本金ハ贓金ト見倣ス故ニ右ヨリ苦情ヲ唱フル者ハ取糺ノ上其金ノ全額ヲ可取揚事
一 同上ノ娼妓藝妓ハ人身ノ權利ヲ失フ者ニテ牛馬ニ異ナラス人ヨリ牛馬ニ物ノ返辨ヲ求ムルノ理ナシ故ニ從來同上ノ娼妓藝妓ヘ借ス所ロノ金銀並ニ賣掛 滞金等ハ一切 債ルヘカラサル事
但 本月二日以来ノ分ハ此限ニ非ス
↑https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787952/733
一 人ノ子女ヲ金談上ヨリ養女ノ名目ニ爲シ娼妓藝妓ノ所業ヲ爲サシムル者ハ其實際上即チ人身賣買ニ付從前今後可及嚴重ノ所置事
↑https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787952/734