Ob-La-Di Oblako 文庫

帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

「目下の所、集団的不逞行動あるを全然認めず」「放火、毒薬投下等の現行犯は今日迄の処、一つも発見せられたることなし」 守屋特別高等課長直話 1923.9.6

警視庁編『大正大震火災誌』(1925) より  特別高等課長 守屋警視

【極秘】 鮮人に関する報道
        九月六日 警視庁 守屋警視直話あ
 目下の所、集団的不逞行動あるを全然認めず。但し大塚方面に於て石油、綿及びマツチを携帯せるもの、渋谷方面に於て導火線を保持せるもの(鮮人労働団体首領、李憲及び其の一派なり) 富坂方面に於て爆弾を所持せるもの等、発見せられたるも、放火、毒薬投下等の現行犯は今日迄の処、一つも発見せられたることなし。
 鮮人の放火等に関する風説、頻りに行はれ、為に鮮人にして殺害の厄に遭遇せるもの多数あるも、計数に付ては未だ不明なり。鮮人を保護せんとする本邦人にして危害を加へられたるもの亦、多数あり。
 社会主義者の一派は此の時機を利用し鮮人と民衆を衝突せしめ、警察官が鮮人を保護せんとする場合に、民衆をして其の盾を警察官に向はしむるの陰謀を企てつつあるものの如く観測せらる。

 

https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B04013322800 5/97 右

【極秘】 鮮人ニ關スル報道
        九月六日 警視廳 守屋警視直話あ
目下ノ所 集團的不逞行動アルヲ全然 認メス 但シ大塚方面ニ於テ石油 綿 及 マツチヲ携帶セルモノ 澁谷方面ニ於テ導火線ヲ保持セルモノ(鮮人勞働團體首領 李憲 及 其一派ナリ) 富坂方面ニ於テ爆彈ヲ所持セルモノ等 發見セラレタルモ 放火 毒藥投下等ノ現行犯ハ今日迄ノ處 一モ發見セラレタルコトナシ
鮮人ノ放火等ニ關スル風説 頻ニ行ハレ 爲ニ鮮人ニシテ殺害ノ厄ニ遭遇セルモノ多數アルモ 計數ニ付テハ未タ不明ナリ 鮮人ヲ保護セントスル本邦人ニシテ危害ヲ加ヘラレタルモノ亦 多數アリ
社會主義者ノ一派ハ此時機ヲ利用シ鮮人ト民衆ヲ衝突セシメ 警察

https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B04013322800 5/97 左

 

官カ鮮人ヲ保護セントスル場合ニ 民衆ヲシテ其ノ盾ヲ警察官ニ向ハシムルノ隱謀ヲ企テツツアルモノノ如ク觀測セラル、

↑「2.大島町事件其他支那人殺傷事件 分割1」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.B04013322800、本邦変災並救護関係雑件/関東地方震災関係(I.6.0.0.5-2)(外務省外交史料館