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帝国日本の侵掠戦争と植民地支配、人権蹂躙を記憶し、再現を許さないために、ひたすら文書資料を書き取る。姉妹ブログ「歴史を忘れる民族に未来はない!」https://obladioblako.hateblo.jp/ のデータ·ベースを兼ねる。

同盟通信 松井最高指揮官訓示「今後における軍紀振刷により皇軍武威の宣揚と、長期持久に対処すべき将兵の覚悟につき、厳に訓示を与へた。」 中支の敵産をわが軍管理 1938.2.7

同盟旬報 第2巻 第4号・2月12日発行(No.23)

【昭和13年2月上旬号】

259(5) 支那事変

松井最高指揮官訓辞

 ○○【2·7】松井最高指揮官は7日、各隊長を○○に集合せしめ、今後における軍紀振刷により皇軍威武の宣揚と、長期持久に対処すべき将兵の覚悟につき、厳に訓示を与えた。

中支の敵産をわが軍管理

 上海【2·9】中支方面占領地区における国民政府所有の財産管理に関し、陸海軍当局は九日午後六時、左の重要談話を発表した。

   △陸海軍当局談

 帝國陸海軍は、中支方面占領地域一帯において新たなる支那政権確立せらるるまで、右地域一帯に存在する敵産を軍事管理のもとに置き、調査、保管その他、必要なる緊急措置を講じることに決せり。敵産の名義変更にして昭和十二年八月十三日以降に属するものはこれを認めず、ただし同日より昭和十三年一月六日に至る期間において右に関し正当なる法律上の手続きおよび代価支払いを
完了したるものは別に考慮することあるべし。

 ▲租界内外一律に実施 上海【二·一〇】中支方面占領地域一帯に存在する国民政府、地方政府、軍閥、さらに政府要人、抗日巨頭の所有にかかるあらゆる財産を軍事管理下に置き、新政権の成立を見るまで必要なる緊急措置を講ずることに方針を決定したことは九日の陸海軍當局談により明かとなた。しかしてもしこれら敵に所属する財産が
国際關関係の微妙複雑なる租界内に所属する場合、わが軍がいかなる態度に出づるかに関し列国は深甚なる関心を寄せ成行きを注目しているが、かかる場合における軍の方針は大体、次のごとくであると見られる。すなわち、

軍としては敵産に重点を置き、これを管理する事を原則とするものであって、該敵産の所在場所が租界内にあろうと租界外にあろうと、わが方の敵に利用させまいとする目的に毫末もその差別をつけんとするものではない。したがって租界内にあってもそれが国民政府あるいは要人連の所有経営にかかる会社、銀行、工場その他の不動産である以上、仮藉するところなくこれを管理せんとする方針である。しかし第三国の個人または国体に名義変更されたものでも、調査の結果、それが事変突発の八月十三日以降に名義変更した敵産たることが確認されれば、租界の内外たるを問はずこれを管理することを建前とするものである。現に税関、新聞検閲所、電信局、放送局のごときは租界内にあっても軍管理下に置かれてその機能を発揮しており、今後はさらに全面的に租界内各種敵産に対しても及ぶ筈であるが、目下のところ右のわが軍の方針に対し、直接的反対ないし阻止機運はほとんど感ぜられない。

 

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同盟旬報

第2巻 第4号・2月12日発行(No.23)

【昭和十三年二月上旬號】

 

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259(5) 支那事變

 

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松井最高指揮官訓辭

◯◯【二·七】松井最高指揮官は七日各隊
長を◯◯に集合せしめ今後に於ける軍紀
振刷により皇軍威武の宣揚と長期持久に
對處すべき將兵の覺悟につき嚴に訓示を
與へた

 

中支の敵産を我軍管理

上海【二·九】中支方面占領地區に於ける國
民政府所有の財產管理に關し陸海軍當局
は九日午後六時左の重要談話を發表した

  △陸海軍當局談

帝國陸海軍は中支方面占領地域一帶に於
て新たなる支那政權確立せらるゝまで右
地域一帶に存在する敵產を軍事管理の下
に置き調査保管その他必要なる緊急措置
を講じることに決せり、敵產の名義變更
にして昭和十二年八月十三日以降に屬す
るものは之を認めず、但し同日より昭和
十三年一月六日に至る期間に於て右に關
し正當なる法律上の手續及び代價支拂を
完了したるものは別に考慮することある
可し

 

▲租界内外一律に実施 上海【二·一〇】中
支方面占領地域一帶に存在する國民政府
地方政府、軍閥更に政府要人、抗日巨頭
の所有にかゝる凡ゆる財產を軍事管理下
に置き、新政權の成立を見る迄必要なる
緊急措置を講ずる事に方針を決定した事
は九日の陸海軍當局談により明かとなつ
た、然して若し之等敵に所屬する財產が
國際關係の微妙複雜なる租界内に所屬す
る場合、我が軍が如何なる態度に出づる
かに關し列國は深甚なる關心を寄せ成行
きを注目しているが、斯かる場合に於け
る軍の方針は大體次の如くであると見ら
れる、卽ち

 軍としては敵產に重點を置き、之を管
 理する事を原則とするものであつて該
 敵產の所在場所が租界内にあらうと
 租界外にあらうと、我が方の敵に利

 

260(6) 支那事變

 

 用させまいとする目的に毫末もその差
 別をつけんとするものではない、從つ
 て租界内に在つてもそれが國民政府或
 は要人連の所有經營にかゝる會社銀行
 工場その他の不動產である以上假藉す
 るところなく之を管理せんとする方針
 である、然し第三國の個人又は國體に
 名義變更されたものでも調査の結果そ
 れが事變突發の八月十三日以降に名義
 變更した敵產たることが確認されゝば
 租界の内外たるを問はず之を管理する
 ことを建前とするものである、現に稅
 關、新聞檢閲所、電信局、放送局の如
 きは租界内にあつても軍管理下に置か
 れてその機能を發揮してをり今後は更
 に全面的に租界内各種敵產に對しても
 及ぶ筈であるが目下のところ右の我が
 軍の方針に對し直接的反對乃至阻止機
 運は殆ど感ぜられない

 

↑同盟旬報 第2巻 第4号・2月12日発行(No.23) https://www2.i-repository.net/contents/myc/chosakai/A04_0204_023.pdf