第六、警戒救護に関する応急命令
此時に方り本庁各署間の通信機関たる電信、電話既に不通となれるが故に、馬場警務部長は応急の手段として田辺、泊両監察官を各署に派遣し臨機の指揮に当たらしむると共に監察官附吉田、高橋各警部及び警衛課福岡警部に命じ自動車に乗じて各署長に対する左記命令を口頭伝達せしめたり。
警戒救護に関する命令
一、勤務
(一)全署員を三部に分ち二部を勤務せしめ一部を休養せしむること。
(二)巡査派出所は二人勤務となし一人を立番、他の一人を休憩とし一時間交代とす。
(三)他の署員は署内に集合せしめ置くこと。
(四)必要に応じ数組の偵察隊を出し一組を二人以上とすること。
二、火災警戒を用意周到ならしむること。
三、盗難警戒を用意周到ならしむること。
四、不穏計画及び其の他不逞者の諸計画を厳重取締ること。
五、救護を敏速に遂行し区役所及び軍隊との連絡を密接ならしむること。
六、人心の鎮静を計ること。
七、食料品警戒及び暴利取締を厳重からしむること。
↑https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1748933/121 ~122
大正大震火災誌 警視庁 1925