供覧
内閣書記官長【印】 内閣書記官【印】【印】
新聞発表第五〇〇号
黒竜江省兵匪の南下
一、反吉林軍と連絡を有し黒竜江省方面より南下した兵匪は他の匪賊と合して其数約五千となり十五日夕扶餘(哈市西南方一五〇粁)を占領したものゝ様である。農安の吉林軍騎兵は之か討伐の為五家站(陶頼昭西方二〇粁)附近に兵力を集結中であるが、兵匪か優㔟なる為積極的行動は困難の模様である。
反吉林軍の状況
二、劉満海、王德林の兵匪は東方に移動せんとする兆候かあって劉の部下約一千は旣に穆稜北方地区に進出し又其一部は東寧(三岔口)に向ひ前進中であると云ふ。避難支那人の言に依れは反吉林軍には最近火砲到着し又多数の彈薬か支給せられたどの報がある、兵卒は彈薬か豊富であるから吉林軍に敗れないと豪語して居る由、又依蘭(三姓)方正、方面には軍用自動車百台が運轉して居ると云ふ。
以上の如く反吉林軍は戰備を整へて居る情況であるから住民で哈市に避難して来る者か相當の数に上り吉林軍も亦漸く緊張しつゝあると云ふ。
上海軍一部の帰還
三、曩に上海方面より内地帰還に決定した部隊中混成旅団及軍直属部隊は十九日までに全部乘船出発した
四、上海方面三月四日以後の便衣隊に関する事件は既に十七件に達し之に基く我被害は負傷八名に達した。
↑陸軍省調査班 上海並満洲事件ニ関スル新聞発表 Ⅲ より
第500号(1932年3月30日)
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