［背表紙］
外務省記録 支那事変関係 一件 第十四巻 門·類·項·目·号：A.1.1.0.30
［表紙］
外務省記録 支那事変関係 一件 第十四巻
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030537300
［仕切の書き込み］
再 編さんの事
昭和十三年七月十五日
五相會議決定
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030537400
目次
✕(１) 対支院官制 →Ａ､一､一､〇､三一
昭和13年4月24日
(２) 五相會議々題に関する件
昭和13年6月21日
(３) 対支政務指導統一覧表
(４) 陸海外三省間覚書
(５) 戦争指導上速に確立徹底を要すへき根本方針
昭和13年6月20,22,23日
(６) 蔣政权にして屈服せざる場合の対策
昭和13年6月21,22,23,24日
(７) 蔣政权屈服の場合の対策
昭和13年6月22,23,24日
✕(８) 防共協定の强化工作要領案 →B.1.0.0.J/X2-5
昭和13年7月19日
(９) 対｢ソ｣工作要領案
昭和13年6月21日
(10) 英､佛､蘇､三国共同して强制干渉をなさんとする噂なるに鑑み､之が対策案
昭和13年6月23日
(11) 今後の支那事変指導方針
昭和13年6月24日
(12) 時局に伴う対支謀畧
昭和13年6月24日､7月8日
✕(13) 内閣情報部拡大强化私案 →Ｍ､一､一､〇､五
昭和13年6月24日
(14) 今後の支那事変指導方針（決定）
昭和13年6月24日
昭和13年6月25日
(16) 第四､内政
昭和13年6月25日
昭和13年6月27,29日､7月4,12,15日
(18) 時局外交に関する陸軍の希望
昭和13年6月27,29日､7月3日
✕(19) 宣傳機関 →Ｍ､一､一､〇､五へ
昭和13年6月28日
✕(20) 対支国策統合機関に関する陸軍の希望 →Ａ､一､一､〇､三一
昭和13年6月29日
(21) 中支金融緊急対策
昭和13年7月5日
昭和13年7月8日
昭和13年7月8日
(24) 差当りの対支外交方針
昭和13年7月8日
(25) 時局に伴う対支謀畧
昭和13年7月8日
(26) 五相會議決定事項事務手續に関する件
昭和13年7月9日
(27) 五相會議々題事務手續予定表
昭和13年7月9日
(28) 英独大使の和平斡旋申込に対する態度
昭和13年7月12日
(29) 北支に於ける日独経済提携に関する協定案
昭和13年7月10日
(30) 日支関係調整条件方針案
昭和13年7月12日
昭和13年7月15日
昭和13年7月19日
✕(33) 日､独､伊防共協定研究方針 →B.1.0.0.J/X2-5
昭和13年7月19日
✕(34) 張鼓峰事件処理に関し採りたる手續 →A.4.6.1.MA/X2-1-4
昭和13年7月22日
(35) 訂正事項
昭和13年7月22日
(36) 対支特別委員會
昭和13年7月26日
(37) 日独防共協定强化に関する件 →B.1.0.0.J/X2-5
昭和13年7月26日
✕(38) 対支中央機関設置の件 →Ａ､一､一､〇､三一
昭和13年7月28日
(39) 対支特別委員会に関する解釈の件
昭和13年7月29日
✕(40) 対支問題処理機関設置の件 →Ａ､一､一､〇､三一
昭和13年7月30日
(41) 新日支関係調整要綱
昭和13年7月30日
✕(42) 時局処理大綱 →A.4.6.1.MA/X2-1-4
昭和13年8月2日
✕(43) 張鼓峰事件対策 →A.4.6.1.MA/X2-1-4
昭和13年8月3日
✕(44) 対蘇時局処理大綱 →A.4.6.1.MA/X2-1-4
昭和13年8月3日
(45) 五相會議決定事項の発表に関する件
昭和13年8月7日
✕(46) 日､独､伊同盟案に対する意見
昭和13年8月8日 →B.1.0.0.J/X2-5
✕(47)対支時局処理機関設置に関する件 →Ａ､一､一､〇､三一
昭和13年8月17,22日
(48) 対英懸案解決に関する件
昭和13年8月19日
(49) 時局宣傳処理に関する件
昭和13年8月23,26日
(50) 連合委員會樹立要綱
昭和13年9月9日
✕(51) 五相會議連絡委員會設置に関する件 →Ａ､一､〇､〇､六-三へ
昭和13年10月7日
(52) 日支新関係調整要項
昭和13年11月25日
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【極秘】
（昭和一三､四､二四）
對支院官制
第一條
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030685100
【極秘】
五相會議々題ニ關スル件
昭和一三､六､二一
五相會議ニ於テハ不取敢 左記諸問題ヲ議スルモノトス
所要ニ應シ更ニ問題ヲ追加 又ハ変更スルコトアリ
左記
第一､蔣政權ノ始末（原案 陸軍大臣）
1. 蔣政權屈服シ來リタル場合ノ對策
(ｲ) 蔣政權屈服ノ條件 ［上部余白書き込み］各種ノ場合ヲ考ヘニ
(ﾛ) 新興中央政權トノ關係
(ﾊ) 停戰ニ關スル事項
2. 蔣政権ニシテ地方政權ニ轉落スルモ 依然 屈服セサル場合ノ對策
3. 蔣政權崩壊 分裂ノ爲 軍事以外ノ謀略等ノ措置[✕(外務)✕]
1. 性質
2. 機構
3. 組織
4. 範圍
5. 樹立ノ時期､方法
6. 承認ノ時期､條件
第[✕三✕]＜五＞､對支機關ノ設置要領（原案 [✕總理✕][✕＜外務＞✕]＜イキ＞大臣）
1. 中央機関
2. 出先機関［上部書込み］急カス
但 出先機關ニ關シテハ陸軍大臣ヨリ要望ヲ提示ス
第[✕四✕]＜三＞､外交（原案 外務大臣）
1. 防共協定ノ強化工作
2. 蘇國ニ對[✕シテハ事變ニ参加セシメサル工作✕]＜スル工作＞
[✕但 日蘇不可侵條約ハ締結セサルコト✕]
3. 英国ニ對[✕シテハ帝國ノ方針ニ順應セシムル工作､特ニ中南支ニ於ケル日英經濟關係ノ調整 及 今後ノ作戰ニ伴ヒ生スル摩擦ノ防止策✕]＜スル工作＞
4. 米國ニ對[✕シテハ對日感情ノ是正､經濟的友好關係ノ增進工作✕]＜スル工作＞
第[✕五✕]＜四＞､内政（原案 總理大臣 大藏大臣）
1. 生產力ノ擴充
向後四年ヲ目標トスル重要產業ノ振興方策
2. 戰時態勢ノ強化
(ｲ) 国民精神の緊張､戦争戰意志ノ強化方策
(ﾛ) 物資ノ運用､輸出入ノ促進､物価ノ抑制､消費配給ノ統制等ノ強化
(ﾊ) 銃後ノ安定､事變ニ伴フ衰退產業ノ保護､失業救濟等ノ方策
(ﾆ) 國家總動員法ノ實施ニ關スル事項
＜(ﾎ) 実□ノ方法､機関ニ關スル事項＞
備 考
一､各議題ノ内容ハ一例ヲ示シタルモノナ
二､各議題ノ原案ハ通常 予豫メ五相ニ送付ス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030537700
總理ニ渡シテ可
五省會議ニテ議論ス（但シ六、五ノ イ ヲ除ク）
【極秘】【参拾部ノ内５号】 昭一三､六､二〇
海軍ニ送付セス 第二課
戰爭指導上 速ニ確立徹底ヲ要スヘキ根本方針
本事變ニ對シ有終ノ結ヲ與フルハ 今後中央ノ努力ニ在リ 之カ爲ニハ戰爭指導ニ關スル機構ノ一元强化ト方針ノ確立徹底トヨリ急ナルハナシ
今ヤ情勢ノ推移 並 内外ノ事態ニ考ヘ戰爭指導上 確定統一ヲ要スル根本方針ヲ列挙スレハ左ノ如シ
一､本事變ノ本質 及 目的
本事變ハ消極的ニハ滿洲事變ノ終末戰タルト共ニ 積極的ニハ東亜解放ノ序幕戰タルノ意義ヲ有シ 皇國一貫ノ國是タル道義日本ノ確立ト東洋文化ノ再建設トノ爲 歴史的一段階ヲ劃ス[×ルニ在リ×]＜ヘキモノナリ＞
而シテ國是ノ第一次目標タル道義日本ノ確立ハ 今次事變ニ依リ北支ヲ日滿ト一環ノ國防圏ニ包含スルコトニ依リ 槪ネ之カ實踐力具有ノ基礎ヲ槪成スヘク 又 第二次目標タル東洋文化ノ再建設ニハ 先ツ東亜ヲ物心ニ於ケル歐米依存ノ狀態ヨリ解放スルヲ要シ 之カ爲 引續キ｢ソ｣英問題ノ處理ヲ必須トシ＜？＞ 一般ノ情勢上 對｢ソ｣處理ヲ先決トナス
二､日支關係ノ根本基調
日支ハ東洋文化ノ再建ヲ以テ共同ノ目標トシ 相互ニ善隣ノ關係ニ置カルヘキモノナリ 東亜ニ於テ日本ハ先覺指導者トシテ 又 支那ハ大ナル實在トシテ 夫々天賦ノ使命 實相ヲ有シ 相互ニ尊重セラルヘキモノナリ
日支カ共同目標ニ向ニ各〻 其使命ヲ遂行センカ爲ニハ 日本ハ日､滿､北支ヲ範域トスル强力國防圏ノ確立ヲ必要トシ 又 支那ハ歐米依存ノ狀態ヨリ脱却シテ國内ノ治安開發ニ邁進スルノ要アリ 而シテ日本カ北支ヲ國防圏トシテ考フルノ程度ハ 共同防衞ノ見地ヨリスル戰略的考慮ノ外 現地ノ福利増進ヲ顧念シツツ 日本ノ不足資源ヲ彼地ニ求ムルヲ以テ基準トスヘク 又 支那カ國内ヲ開發スルノ要ハ 日支ノ間 有無相通 長短相補 以テ生産 消費 交易等ノ關係ヲ律スルニ在リ
三､北支ノ皇國ニ對スル地位
河北省 及 山西省ノ各北半（槪 正太線）以北＜及 山東省＞ハ資源開廢上 竝 軍事上ノ見地ニ於テ[×又 山東省半島部ハ軍事上ノ見地ニ於テ×]＜？＞皇國ノ自存 竝 日滿國力結成､即チ道義日本ノ大局的生存ノタメ絶對不可欠ノ範域ナリ
從テ右範域ヲ政治地理的ニ包含スル最小限度ノ地域 即 北支五省（黄河以北河南省ヲ含ム）ハ 平戰両時ヲ通シ日滿ト一環ノ結合内ニ置カルヘキモノナリ
而シテ蒙疆ノ地域ハ對｢ソ｣ノ見地ヨリ我前線ニ在リテ防共防露ノ一方面トシテ準備セラルヘキ地域ナリ
四､本事變ノ解決ニ方リ確定スヘキ根本事項
（其形式ハ解決ノ情勢ニ依リ多少ノ變化アルヘシ）
第一 北支資源ノ開廢利用
第二 北支 及 上海ニ於ケル日支强度結合地帶ノ設定
蒙疆ノ對｢ソ｣特殊地位ノ設定
第三 日支提携一般問題
(ｲ) 善隣偃武
(ﾛ) 共同防衞
(ﾊ) 經濟提携
即 指導機構ノ設定ハ主トシテ北支ニ限定スヘク 中支ハ上海ヲ除クノ外 前掲第三 一般問題ノ範圍ニ於テ考定セラルヘキモノナリ
之ヲ要スルニ 北支ニ在リテハ軍事 及 資源上 支那主権ニ對スル我優位ノ設定ヲ基本觀念トシ 其他ニ在リテハ日支平等互恵ノ觀念ニ於テ便宜ヲ得ル程度ヲ以テ滿足スヘキモノトス
五､全面的ニ守備ノ態勢ニ轉移スヘキ情勢ニ至ル
迄ノ間ニ於ケル北中支ニ對スル指導方針
＜議論セス＞(ｲ) 山西 及 山東南境ニ截然一線ヲ劃シ 北支ハ守備ノ地域トナシ 又 中支ハ純作戰ノ地域トナシ 以テ守備ト作戰トノ混淆ヨリ來ル諸弊ヲ芟除ス
即 北支ニハ一軍ノ下ニ長期駐屯ノ態勢ニ兵團ヲ配置シ（蒙疆ハ對｢ソ｣ノ見地ヨリ特殊性ヲ保タシム） 又 中支ニハ一方面軍ノ下ニ不覇独立 純作戰ノ態勢ニ兵團ヲ部署ス
(ﾛ) 政務ノ指導ハ一般ニ現地政權發達ノ段階ニ應セシムルモノトス
當分 北中支分治ノ形態ヲ存續シ（境界ハ前項ニ同シ） 之カ統合調整 竝 統一促進ノ爲 中央ニ一機關ヲ設ケ 東京ヨリノ指導力ヲ一層强化ス 漸ヲ逐ウテ現地特務部業ノ大部ヲ軍ノ手裡ヨリ分離シ 且 中央政府樹立後 中央機關ヲ現地ニ推進ス
＜全部議論セス＞六､治安指導ニ關スル方針
(ｲ) 北支ノ治安形態ニ關スル基本観念ハ面ナリ
但 當分ノ間 南部北支（概 正太線東西ノ線（含マス）以南）ハ幅ヲ有スル線トス
山西ハ當分ノ間 治安ノ範圍ヲ低地 及 交通幹線ニ限定シ 山地ニ對シテハ長圍ノ策ヲ採ル
(ﾛ) 中支ノ治安形態ニ關スル基本観念ハ線ナリ
線ハ作戰間ニ在リテハ軍後方連絡線ノ保持ヲ主義トナシ 又 守備轉移ノ後ニ在リテハ敵ノ侵入阻止線タルノ主義ヲモ包含ス
但 南京 上海 杭州ノ三角地帶ハ槪ネ面トス
七､戰爭指導ノ强化統一ニ關スル措置
本事變以來 國家最大ノ欠陥ハ 戰爭指導機構ノ不統一 乃至 不活動ニ在リ 今ニシテ之ヲ是正セスンハ本事變ノ成果ヲ逸シ 更ニ近キ將來ニ到來スヘキ歴史的世界轉機ニ一籌ヲ輸センコトヲ虞ルルノミナラス 事變ニ繼イテ我危急存亡ノ事態發生ノ懸念スラナキニアラス 職ヲ中央ニ奉スル者 正ニ猛省ノ要アリ
即刻 强化[×具視×]＜実現＞ヲ要スへキ要項 左ノ如シ
皇道精神ノ確立徹底
戰爭指導ノ一元强化
統帥力ノ强化 並 統一
總動員指導權ノ確立
經濟戰 及 思想戰ノ基礎確立
【極秘】【参拾部ノ内壱七号】 昭一三､六､二二
戰爭指導上 速ニ確立徹底ヲ
要スヘキ根本方針
本事變ニ對シ有終ノ結ヲ與フルハ 今後中央ノ努力ニ在リ 之カ爲ニハ戰爭指導ニ關スル機構ノ一元强化ト方針ノ確立徹底トヨリ急ナルハナシ
其一 戰爭指導ニ關スル根本方針
一､本事變ノ本質 及 目的
本事變ハ消極的ニハ滿洲事變ノ終末戰タルト共ニ 積極的ニハ東亞解放ノ序幕戰タルノ意義ヲ有シ 皇國一貫ノ國是タル道義日本ノ確立ト東洋文化ノ再建設トノ為 歴史的一段階ヲ劃スヘキモノナリ
而シテ國是ノ第一次目標タル道義日本ノ確立ハ 今次事變ニ依リ北支ヲ日滿ト一環ノ國防圏ニ包含スルコトニ依リ 槪ネ之カ實踐力具有ノ基礎ヲ槪成スヘク 又 第二次目標タル東洋文化ノ再建設ニハ 先ツ東亞ヲ我皇道ヲ中核トスル物心兩面ノ共榮ニ導キ 以テ不幸ナル歐米依存ノ狀態ヨリ解放スルヲ要ス 之カ爲ニハ眞日本ノ顯現､滿洲國ノ善政 日滿支ノ提携ニ[×引續キ×]＜竝ニ＞｢ソ｣英問題ノ處理ヲ必須トシ ｢ソ｣英問題ハ一般ノ情勢上 對｢ソ｣處理ヲ先決トナス
二､日支關係ノ根本基調
日支ハ東洋文化ノ再建ヲ以テ共同ノ目標トシ 相互ニ善隣ノ關係ニ置カルヘキモノナリ 東亜ニ於テ日本ハ先覺指導者トシテ 又 支那ハ大ナル實在トシテ 夫々 天賦ノ使命 實相ヲ有シ 相互ニ尊重セラルヘキモノナリ
日滿支カ共同目標ニ向ヒ各〻 其使命ヲ遂行センカ爲ニハ 日本ハ日､滿､北支ヲ範域トスル强力國防圏ノ確立ヲ必要トシ 又 支那ハ歐米依存ノ狀態ヨリ脱却シテ國内ノ治安開發ニ邁進スルノ要アリ 而シテ日本カ北支ヲ國防圏トシテ考フルノ程度ハ 共同防衞ノ見地ヨリスル戰略的考慮ノ外 現地ノ福利増進ヲ顧念シツツ 日本ノ不足資源ヲ彼地ニ求ムルヲ以テ基準トスヘク 又 支那カ國内ヲ開發スルノ要ハ 日支ノ間 有無相通 長短相補 以テ生産 消費 交易等ノ關係ヲ律スルニ在リ
三､北支 及 中南支ノ皇國ニ對スル地位
(ｲ) 北支
河北省 及 山西省ノ各北半（槪 正太線）以北 及 山東省ハ 資源開廢上 竝 軍事上ノ見地ニ於テ 皇國ノ自存 竝 日滿國力結成 即チ道義日本ノ大局的生存ノ爲 絶對不可欠ノ範域ナリ
從ツテ右範域ヲ政治地理的ニ包含スル最小限度ノ地域 即 北支五省（黄河以北河南省ヲ含ム）ハ平戰兩時ヲ通シ日滿ト一環ノ結合内ニ置カルヘキモノナリ
而シテ蒙疆ノ地域ハ對｢ソ｣ノ見地ヨリ我前線ニ在リテ防共防露ノ一方面トシテ準備セラルヘキ地域ナリ
(ﾛ) 中南支
中南支ハ上海ヲ除クノ外 次項第三 日支提携一般問題ノ範囲ニ於テ考定セラルヘキモノナリ
四､本事變ノ解決ニ方リ確定スヘキ根本事項
（其形式ハ解決ノ情勢ニ依リ多少ノ變化アルヘシ）
第一 北支[×ニ於ケル軍事 及 資源上 支那主權ニ對スル我優位確立 之カ爲ノ我援助機構ノ確立×]＜資源ノ開発利用＞
第二 北支 及 上海ニ於ケル日支强度結合地帶ノ設定
蒙疆ノ對｢ソ｣特殊地位ノ設定
第三 ＜△＞日支提携一般問題[✕（＜□□…＞✕]日支平等互惠[×ノ觀念ニ於テ便宜ヲ得ル程度）×]＜ヲ基調トスル△＞
(ｲ)善隣[×偃武×]＜友好＞
(ﾛ) 共同防衞
(ﾊ) 經濟提携
五､全面的ニ守備ノ態勢ニ轉移スヘキ情勢ニ至ル
迄ノ間ニ於ケル北中支ニ對スル[×指導×]
＜内面指導＞＜援助＞方針
［上余白］＜✔️＞
政務ノ[×指導×]＜内面指導＞＜援助＞ハ一般ニ現地政權發達ノ段階ニ應セシムルモノトス
［上余白］＜✔️＞
[×當分 北中支分治ノ形態ヲ存續シ（境界ハ前項ニ同シ）×]之カ統合調整 竝 統一促進ノ爲 中央ニ一機關ヲ設ケ 東京ヨリノ指導力ヲ一層强化ス
＜當分ノ間＜槪ネ＞現状[✕□□□□□□□✕]ヲ持続スルモ 現地ノ情况ニ照应シ＞漸ヲ逐ウテ現地＜軍＞[×特務部×]＜ノ政務指導＞業務＜[✕□□□□□✕]＞[×ノ大部ヲ軍ノ手裡ヨリ分離シ 且 中央政府樹立後 中央機關ヲ現地ニ推進ス×]ヲ整理ス
其二 戰爭指導機構ノ强化統一ニ關スル措置
本事變以來 國家最大ノ欠陥ハ戰爭指導機構ノ不統一 乃至 不活動ニ在リ 今ニシテ之ヲ是正セスンハ本事變ノ成果ヲ逸シ 更ニ近キ將來ニ到來スヘキ歴史的世界轉機ニ一籌ヲ輸センコトヲ虞ルルノミナラス 事變ニ繼イテ我危急存亡ノ事態發生ノ懸念スラナキニアラス 職ヲ中央ニ奉スル者 正ニ猛省ノ要アリ
即刻 强化実現ヲ要スヘキ要項 左ノ如シ
皇道精神ノ確立徹底
戰爭指導ノ一元强化
總動員指導權ノ確立
經濟戰 及 思想戰ノ基礎確立
【極秘】
参拾部ノ内第壱七号 昭一三､六､二三
戰爭指導上 速ニ確立徹底ヲ要スヘキ根本方針
本事變ニ對シ有終ノ結ヲ與フルハ今後中央ノ努力ニ在リ 之カ爲ニハ戰爭指導ニ關スル方針ノ確立徹底ト機構ノ一元强化トヨリ急ナルハナシ
其一 戰爭指導ニ關スル根本方針
一､本事變ノ本質 及 目的
本事變ハ消極的ニハ滿洲事變ノ終末戰タルト共ニ 積極的ニハ東亞解放ノ序幕戰タルノ意義ヲ有シ 皇國一貫ノ國是タル道義日本ノ確立ト東洋文化ノ再建設トノ爲 歴史的一段階ヲ劃スヘキモノナリ
而シテ國是ノ第一次目標タル道義日本ノ確立ハ 今次事變ニ依リ北支ヲ日滿ト一貫ノ國防圏ニ包含スルコトニ依リ 槪ネ之カ實踐力具有ノ基礎ヲ槪成スヘク 又 第二次目標タル東洋文化ノ再建設ニハ 先ツ東亞ヲ我皇道ヲ中核トスル物心兩面ノ共榮ニ導キ 以テ不幸ナル歐米依存ノ狀態ヨリ解放スルヲ要ス 之カ爲ニハ眞日本ノ顯現､滿洲國ノ善政 日滿支ノ提携 竝 ｢ソ｣英問題ノ處理ヲ必須トシ ｢ソ｣英問題ハ一般ノ情勢上 對｢ソ｣處理ヲ先決トス
二､日支關係ノ根本基調
日支ハ東洋文化ノ再建ヲ以テ共同ノ目標トシ 相互ニ善隣ノ關係ニ置カルヘキモノナリ 東亜ニ於テ日本ハ先覺指導者トシテ 又 支那ハ大ナル實在トシテ 夫々 天賦ノ使命 實相ヲ有シ 相互ニ尊重セラルヘキモノナリ
日滿支カ共同目標ニ向ヒ各〻 其使命ヲ遂行センカ爲ニハ 日本ハ日､滿､北支ヲ範域トスル强力國防圏ノ確立ヲ必要トシ 又 支那ハ歐米依存ノ狀態ヨリ脱却シテ國内ノ治安開發ニ邁進スルノ要アリ 而シテ日本カ北支ヲ國防圏トシテ考フルノ程度ハ 共同防衛ノ見地ヨリスル戰略的考慮ノ外 現地ノ福利増進ヲ顧念シツツ 日滿ノ不足資源ヲ彼地ニ求ムルヲ以テ基準トスヘク 又 支那カ國内ヲ開發スルノ要ハ 日滿支ノ間 有無相通 長短相補 以テ生産 消費 交易等ノ關係ヲ律スルニ在リ
三､北支 及 中南支ノ皇國ニ對スル地位
(ｲ) 北支
河北省 及 山西省ノ各北半（槪 正太線）以北 及 山東省ハ 資源開發上 竝 軍事上ノ見地ニ於テ 皇國ノ自存 竝 日滿國力結成 即チ道義日本ノ大局的生存ノ爲 絶對不可欠ノ範域ナリ
從ツテ右範域ヲ政治地理的ニ包含スル最小限度ノ地域 即チ北支五省（黄河以北河南省ヲ含ム）ハ平戰兩時ヲ通シ日滿ト一環ノ結合内ニ置カルヘキモノナリ
而シテ蒙彊ノ地域ハ對｢ソ｣ノ見地ヨリ我カ前線ニ在リテ防共防露ノ一方面トシテ準備セラルヘキ地域ナリ
(ﾛ) 中南支
中南支ハ上海ヲ除クノ外 次項第三 日支提携一般問題ノ範圍ニ於テ考定セラルヘキモノナリ
四､本事變ノ解決ニ方リ確定スヘキ根本事項
（其形式ハ解決ノ情勢ニ依リ多少ノ變化アルヘシ）
第一 北支資源ノ開發利用
第二 北支 及 上海ニ於ケル日支强度結合地帶ノ
設定、蒙疆ノ對｢ソ｣特殊地位ノ設定
第三 日支平等互惠ヲ基調トスル日支提携一般問題
(ｲ) 善隣友好
(ﾛ) 共同防衞
(ﾊ) 經濟提携
五、全面的ニ守備ノ態勢ニ轉移スヘキ情勢ニ至ル迄ノ間ニ於ケル北中支ニ對スル内面指導方針
政務ノ内面指導ハ一般ニ現地政權發達ノ段階ニ應セシムルモノトス
之カ統合調整 竝 統一促進ノ爲 中央ニ一機關ヲ設ケ 東京ヨリノ指導力ヲ一層强化ス 当面ノ間 槪ネ現狀ヲ繼続スルモ 現地ノ狀況ニ照応シ 逐次 現地軍 政務指導業務ヲ整理ス
其二 戰爭指導機構ノ强化統一ニ關スル措置
本事變以來 國家最大ノ欠陥ハ 戰爭指導機構ノ不統一 乃至 不活動ニ在リ
今ニシテ之ヲ是正セスンハ本事變ノ成果ヲ逸シ 更ニ近キ將來ニ到來スヘキ歴史的世界轉機ニ一籌ヲ輸センコトヲ虞ルルノミナラス 事變ニ繼イテ我危急存亡ノ事態發生ノ懸念スラナキニアラス 職ヲ中央ニ奉スル者 正ニ猛省ノ要アリ
即刻强化實現ヲ要スヘキ要領左ノ如シ
皇道精神ノ確立徹底
戰爭指導ノ一元强化
總動員指導權ノ確立
經濟戰 及 思想戰ノ基礎確立
【極秘】
別 紙
軍事治安ニ関スル事項
一､全面的ニ守備ノ態勢ニ轉移スヘキ情勢ニ至ル
迄ノ間ニ於ケル北中支ニ對スル指導方針
山西 及 山東ノ南境ニ截然 一線ヲ劃シ 北支ハ守備ノ地域トナシ 又 中支ハ純作戰ノ地域トナシ 以テ守備ト作戰トノ混淆ヨリ來ル諸弊ヲ芟除ス 卽 北支ニハ一軍ノ下ニ長期駐屯ノ態勢ニ兵團ヲ配置シ（蒙疆ハ対「ソ」ノ見地ヨリ特殊性ヲ保タシム）又 中支ニハ一方面軍ノ下ニ不覇獨立 純作戰ノ態勢ニ兵團ヲ部署ス
二､治安指導ニ関スル方針
(ｲ) 北支ノ治安形態ニ關スル基本觀念ハ面ナリ
但 當分ノ間 治安ノ範圍ヲ平地 及 交通幹線ニ限定シ 山地ニ對シテハ長圍ノ策ヲ取ル
(ﾛ) 中支ノ治安形態ニ関スル基本觀念ハ線ナリ
線ハ作戰間ニ在リテハ軍後方連絡線ノ保持ヲ主義トナシ 又 守備轉移ノ後ニ在リテハ敵ノ侵入阻止線タルノ主義ヲモ包含ス
但 南京 上海 杭州ノ三角地帶ハ槪ネ面トス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538000
【極秘】
蔣政權ニシテ[✕地方政權ニ轉落スルモ✕]
屈服セサル場合ノ對策
昭和一三､六､二一
訂正案
第一、方 針
蔣政權ニシテ[✕地方政權ニ轉落スルモ✕]依然 屈服セサルニ於テハ 帝國ハ爾後 武力行使ニヨル早急ナル事變解決ニ焦慮スルコトナク 主トシテ政略施策ニ期待シ 政治的ニ蔣政權ヲ壓縮スルト共ニ其ノ國際的孤立ヲ策シ 以テ該政權ヲシテ遂ニ自潰 若クハ屈服ノ已ムナキ至ラシム
第二、要 領
一､蔣政權ニ對スル積極的武力行使ノ範圍ハ 槪ネ該政權ヲシテ地方政權ニ轉落スルノ止ムナキニ至ラシムル地域ヲ以テ限度トシ 適宜 之ヲ規正シ 爾後 敵ノ反攻ニ備フルト共ニ 占據地域治安ノ確立ヲ目途トシ 逐次 在支兵力ヲ整理ス
二､親日＜滿＞政權ヲ[✕育成✕]＜擴大＞强化シテ成ルヘク速カニ支那新中央政府[✕タルノ實質ヲ備フルニ至ラシ✕]＜集大成セシ＞ムルト共二 之ニヨリ政治的ニ蔣政權ヲ地方政權ニ壓縮ス
三､積極的ニ蔣政權ノ分裂崩壊ヲ策スル爲 政治 經濟 外交等ノ各般ニ亘リ大謀略ヲ實施シ 以テ可及的速カニ其潰滅ヲ期ス
右政策ハ帝國自ラ行フ外 [✕支那新中央政權✕]＜親日諸政權＞ヲシテ協力セシム
[✕四､占據地域ノ國防資源ハ應急開發ヲ旨トシ 以テ我物質供給狀態改善ニ資ス✕]
[✕五✕]＜四＞､第三國ノ權益ハ努メテ之ヲ尊重スルモ 列國 特ニ英米等ヲシテ 速カニ蔣政權トノ關係ヲ斷絕シ帝國ト協力スルニ非レハ 其在支權益ノ保持ハ事実上 頗ル困難ナルヘキヲ覺知セシメ 以テ蔣政權ノ國際的孤立化ヲ策ス
［書き込み］苐三國外交 経済 思想戦
【極秘】
蔣政權ニシテ屈服セサル場合ノ對策
昭和一三､六､二二
第一、方 針
一､蔣政權ニシテ屈服セサルニ於テモ帝國ハ國ノ總力ヲ統合シ[✕萬全ヲ盡シテ✕]之ヲ潰滅 若クハ屈服セシムルニ努ム
二､蔣政權 地方政權ニ堕スルモ尚 屈服セサルニ於テハ 主トシテ政略施策ヲ强化シ 以テ該政權ヲシテ自潰 若クハ屈服ノ已ムナキニ至ラシム
第二、要 領
[✕一､蔣政權ヲ屈服セシムル爲✕]＜蔣政權ニ対シ＞帝國ハ愈〻國力ヲ統合シ作戰､内政､外交､經濟､謀略､宣傳等 國家一切ノ努力ヲ擧ケテ右目的達成ニ集中スルト共ニ 長期戰ニ應スル現下必須ノ諸政策ヲ强化シ 以テ形而上下ヲ通シ眞ニ戰時態勢ヲ實現セシム
[✕ニ､作 戰✕]＜要 領＞
＜一､＞支那ノ大勢ヲ制スルニ足ル要衝ノ占據ヲ目標トシ 勉メテ間隙ナカラシムル如ク積極作戰ヲ指向シ 連續セル敗戰感 殊ニ其中原喪失ニ依リ 蔣政權ノ自潰作用ト繼戰意志ノ放棄トヲ誘導ス
[✕三､謀 略✕]
＜二､＞作戰ノ進展ニ伴ヒ政治､經濟､外交､思想等ノ各般ニ亘リ益〻謀略ヲ强化シテ親日反共諸勢力ノ助成ニ努ムルト共ニ 抗日勢力内部ノ切リ崩シト 和平氣分ノ釀成 及 財政經濟基礎ノ破綻ヲ策シ 以テ成ルヘク速カニ蔣政權ノ分裂崩壞 少クモ其局地政權ヘノ轉落ヲ期ス
右施策ハ帝國自ラ行フ外 特ニ＜裏面的ニ[✕指導シテ✕]＞親日支那諸政權其他ヲ[✕シテ協力セシム✕]＜指導□□行ハシムル[✕□□トス✕]＞ [✕＜親日ト思ハレサルモノヲ□用スルヲ□□トス＞✕]
[✕四､新支那中央政權ノ育成✕]
＜三､＞親日諸政權ヲ擴大强化スルト共ニ 成ルヘク速カニ是等政權ヲ聚大成シ一政權ニ統合セシメ 眞ニ支那中央政府タルノ實ヲ擧ケシメ 以テ内外ヲシテ現實ニ蔣政權ニ代ル新政權トシテ認メサルヲ得サルニ至ラシム
帝國ノ新中央政權承認ハ一ニ當時ノ情勢ニ依ルモ 該政權カ中央政府ノ實ヲ備フルニ至ラハ ナルヘク速カニ行フ
[✕五､外 交✕]
＜四､＞列國ノ權益ハ努メテ之ヲ尊重シ 好ンテ彼等ト事ヲ構フルカ如キ態度ハ避クルモ 强力明快ナル事變處理ノ斷行ニ依リ列國ヲシテ我對支政策ヲ事實上了得セシメ 彼等ノ旣得權益ノ保持增進上 自ラ我態度ヲ支持スルノ已ムヲ得サルニ至ラシメ 以テ蔣政權ノ孤立化ヲ策ス
[✕其細部ニ關シテハ別ニ研究ス✕]
六､蔣政權ニシテ地方政權ニ轉落スルモ尚 屈服セサルトキハ 帝國ハ爾後 直接武力ニヨル早急ナル事變解決ニ焦慮スルコトナク 益〻新中央政權ノ擴大强化ヲ促進スルト共ニ 政治､外交､經濟､思想的ニ蔣政權ヲ愈〻壓縮スル等 主トシテ政略､謀略ノ運營ニ依リ蔣政權ノ潰滅ヲ計ル
【極秘】
蔣政權ニシテ屈服セサル場合ノ對策
昭和一三、六、二三
第一、方 針
帝國ハ愈〻國力ヲ統合シ 作戰､内政､外交､經濟､謀略､宣傳等 國家一切ノ努力ヲ擧ケテ蔣政權ノ潰滅 若クハ屈服ニ集中スルト共ニ 長期戰ニ應スル現下必須ノ諸政策ヲ强化シ 以テ形而上下ヲ通シ眞ニ戰時態勢ヲ實現セシム
第ニ、要 領
一､要衝占據迄ノ對策
1. 支那ノ大勢ヲ制スルニ足ル要衝ノ占據ヲ目標トシ 勉メテ間隙ナカラシムル如ク積極作戰ヲ指向シ 連續セル敗戰感 殊ニ其中原喪失ニ依リ 蔣政權ノ自潰作用ト繼戰意志ノ放棄トヲ誘導ス
2. 作戰ノ進展ニ伴ヒ政治､經濟､外交､思想等ノ各般ニ亘リ益〻謀略ヲ强化シテ親日反共諸勢力ノ助成ニ努ムルト共ニ 抗日勢力内部ノ切リ崩シト 和平氣分ノ釀成 及 財政經濟基礎ノ破綻ヲ策シ 以テ成ルヘク速カニ蔣政權ノ分裂崩壞 少クモ其局地政權ヘノ轉落ヲ期ス
右施策ハ帝國自ラ行フ外 特ニ裏面的ニ親日支那諸政權其他ヲ指導シテ行ハシム
3. 親日諸政權ヲ擴大强化スルト共ニ 成ルヘク速カニ是等政權ヲ聚大成シ一政權ニ統合セシメ 眞ニ支那中央政府タルノ實ヲ擧ケシメ 以テ内外ヲシテ現實ニ蔣政權ニ代ル新政權トシテ認メサルヲ得サルニ至ラシム
帝國ノ新中央政權承認ハ一ニ當時ノ情勢ニ依ルモ 該政權カ中央政府ノ實ヲ備フルニ至ラハ ナルヘク速カニ行フ
4. 列國ノ權益ハ努メテ之ヲ尊重シ 好ンテ彼等ト事ヲ構フルカ如キ態度ハ避クルモ 强力明快ナル事變處理ノ斷行ニ依リ列國ヲシテ我對支政策ヲ事實上了得セシメ 彼等ノ旣得權益ノ保持增進上 自ラ我態度ヲ支持スルノ已ムヲ得サルニ至ラシメ 以テ蔣政權ノ孤立化ヲ策ス
其ノ細部ニ關シテハ別ニ研究ス
二､要衝占據後ノ對策
要衝ヲ占據スルモ蔣政權ニシテ尚 屈服セサルトキハ 帝國ハ爾後 直接武力ニヨル早急ナル事變解決ニ焦慮スルコトナク 益〻新中央政權ノ擴大强化ヲ促進スルト共ニ 政治､外交､經濟､思想的ニ蔣政權ヲ愈〻壓縮スル等 主トシテ政略､謀略ノ運營ニ依リ蔣政權ノ潰滅ヲ計ル
【極秘】
蔣政權ニシテ屈服セサル場合ノ對策
昭和一三、六、二四
第一、方 針
帝國ハ愈〻國力ヲ統合シ 作戰､内政､外交､經濟､謀略､宣傳等 國家一切ノ努力ヲ擧ケテ蔣政權ノ潰滅 若クハ屈服ニ集中スルト共ニ 長期戰ニ應スル現下必須ノ諸政策ヲ强化シ 以テ形而上下ヲ通シ眞ニ戰時態勢ヲ實現セシム
第ニ、要 領
一､要衝占據迄ノ對策
1. 支那ノ大勢ヲ制スルニ足ル要衝ノ占據ヲ目標トシ 勉メテ間隙ナカラシムル如ク積極作戰ヲ指向シ 連續セル敗戰感 殊ニ其中原喪失ニ依リ 蔣政權ノ自潰作用ト繼戰意志ノ放棄トヲ誘導ス
2. 作戰ノ進展ニ伴ヒ政治､經濟､外交､思想等ノ各般ニ亘リ益〻謀略ヲ强化シテ親日反共諸勢力ノ助成ニ努ムルト共ニ 抗日勢力内部ノ切リ崩シト 和平氣分ノ釀成 及 財政經濟基礎ノ破綻ヲ策シ 以テ成ルヘク速カニ蔣政權ノ分裂崩壞 少クモ其局地政權ヘノ轉落ヲ期ス
右施策ハ帝國自ラ行フ外 特ニ裏面的ニ親日支那諸政權其他ヲ指導シテ行ハシム
3. 親日諸政權ヲ擴大强化スルト共ニ 成ルヘク速カニ是等政權ヲ聚大成シ一政權ニ統合セシメ 眞ニ支那中央政府タルノ實ヲ擧ケシメ 以テ内外ヲシテ現實ニ蔣政權ニ代ル新政權トシテ認メサルヲ得サルニ至ラシム
帝國ノ新中央政權承認ハ一ニ當時ノ情勢ニ依ルモ 該政權カ中央政府ノ實ヲ備フルニ至ラハ ナルヘク速カニ行フ
4. 列國ノ權益ハ努メテ之ヲ尊重シ 好ンテ彼等ト事ヲ構フルカ如キ態度ハ避クルモ 强力明快ナル事變處理ノ斷行ニ依リ列國ヲシテ我對支政策ヲ事實上了得セシメ 彼等ノ旣得權益ノ保持增進上 自ラ我態度ヲ支持スルノ已ムヲ得サルニ至ラシメ 以テ蔣政權ノ孤立化ヲ策ス
其ノ細部ニ關シテハ別ニ研究ス
二､要衝占據後ノ對策
要衝ヲ占據スルモ蔣政權ニシテ尚 屈服セサルトキハ 帝國ハ爾後 直接武力ニヨル早急ナル事變解決ニ焦慮スルコトナク 益〻新中央政權ノ擴大强化ヲ促進スルト共ニ 政治､外交､經濟､思想的ニ蔣政權ヲ愈〻壓縮スル等 主トシテ政略､謀略ノ運營ニ依リ蔣政權ノ潰滅ヲ計ル
三､實行ノ方法ニ就テハ別ニ策定ス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538100
【極秘】
蔣政權屈服ノ場合ノ對策
昭和一三､六､二二
第一、方 針
蔣政權ニシテ屈服シ來リタル場合ニ於テハ 帝國ハ之ヲ一地方政權トシテ「新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシム」トノ御前會議決定方針ニ基キ處理ス
第二、要 領
一､帝國ハ事變解決ニ關スル旣定方針ヲ堅持シ＜蒋政権ヲ相手トシテ＞日支全面的關係ノ調整[✕ニハ蔣政權ヲシテ直接干與セシメス✕]＜ヲ行フコトナシシ＞
二､蔣政權ニシテ屈服シ 且 後述第三ノ條件ヲ受諾シ [✕其誠意 見ルヘ✕]＜タルト＞キ[✕モノアル二於テ✕]ハ 之ヲ友好地方政權トシテ認メ 旣成新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシムルカ 又ハ親日諸地方政權ト協力シテ新ニ中央政權ヲ樹立セシム
旣成新中央政權トノ合流､新中央政權ノ樹立等ハ主トシテ支那側ヲシテ行ハシムルモ 帝國 之ヲ斡旋ス
三､第三國ノ好意的橋渡シハ 前二項ノ趣旨ニ反セサル限リ 之ヲ受諾スルヲ妨ケス
第三、蔣政權[✕ヲ友好地方政權ト認ムル
爲ノ✕]＜屈服ノ認定＞條件
一､合流 若クハ新政權樹立原則ノ承認
二､右ニ伴フ舊國民政府ノ改稱 及 改組
三､抗日容共政策ノ放棄 及 親日＜満＞反共政策ノ採用
四､蔣介石ノ下野
第四、停 戰
一､蔣政權[✕ヲ友好地方政權ト認メ得ルニ至✕]＜ノ屈服ヲ認定シ得ル＞ルニアラサレハ停戰等ハ議セス
【極秘】
蔣政權屈服ノ場合ノ對策
昭和十三年六月二十三日
第一、方 針
蔣政權ニシテ屈服シ來リタル場合ニ於テハ 帝國ハ之ヲ一地方政權トシテ「新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシム」トノ 御前會議決定方針ニ基キ處理ス
第二、要 領
一､帝國ハ事變解決ニ關スル旣定方針ヲ堅持シ 蒋政権ヲ相手トシテ日支全面的關係ノ調整ヲ行フコトナシシ
二､蔣政權ニシテ屈服シ 且 後述第三ノ條件ヲ受諾シタルトルキハ 之ヲ友好地方政權トシテ認メ 旣成新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシムルカ 又ハ親日諸地方政權ト協力シテ新ニ中央政權ヲ樹立セシム
旣成新中央政權トノ合流､新中央政權ノ樹立等ハ主トシテ支那側ヲシテ行ハシムルモ 帝國 之ヲ内面的斡旋ス
三､第三國ノ好意的橋渡シハ 前二項ノ趣旨ニ反セサル限リ 之ヲ受諾スルヲ妨ケス
第三、蔣政權屈服ノ認定條件
一､合流 若クハ新政權樹立原則ノ承認
二､右ニ伴フ舊國民政府ノ改稱 及 改組
三､抗日容共政策ノ放棄 及 親日滿反共政策ノ採用
四､蔣介石ノ下野
第四、停 戰
一､蔣政權ノ屈服＜ノ事実＞ヲ認定シ得ルニアラサレハ停戰等ハ議セス
【極秘】
蔣政權屈服ノ場合ノ對策
昭和十三年六月二十四日
第一、方 針
蔣政權ニシテ屈服シ來リタル場合ニ於テハ 帝國ハ之ヲ一地方政權トシテ「新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシム」トノ 御前會議決定方針ニ基キ處理ス
第二、要 領
一､帝國ハ事變解決ニ關スル旣定方針ヲ堅持シ 蒋政権ヲ相手トシテ日支全面的關係ノ調整ヲ行フコトナシシ
二､蔣政權ニシテ屈服シ 且 後述第三ノ條件ヲ受諾シタルトルキハ 之ヲ友好地方政權トシテ認メ 旣成新興支那中央政權ノ傘下ニ合流セシムルカ 又ハ親日諸地方政權ト協力シテ新ニ中央政權ヲ樹立セシム
旣成新中央政權トノ合流､新中央政權ノ樹立等ハ主トシテ支那側ヲシテ行ハシムルモ 帝國 之ヲ内面的斡旋ス
三､第三國ノ好意的橋渡シハ 前二項ノ趣旨ニ反セサル限リ 之ヲ受諾スルヲ妨ケス
第三、蔣政權屈服ノ認定條件
一､合流 若クハ新政權樹立原則ノ承認
二､右ニ伴フ舊國民政府ノ改稱 及 改組
三､抗日容共政策ノ放棄 及 親日滿反共政策ノ採用
四､蔣介石ノ下野
第四、停 戰
一､蔣政權ノ屈服ノ事實ヲ認定シ得ルニアラサレハ停戰等ハ議セス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538200
【極秘】
防共協定ノ强化工作要領案
＜昭和十三年七月十九日
五相会議決定？＞
防共協定ノ强化ニ關シテハ別冊｢日獨 及 日伊樞軸强化ニ關スル方策案｣ニ依ル
日獨 及 日伊樞軸强化ニ關スル方策案
一、判 決
帝國ハ速ニ獨乙 及 伊太利ト各個ニ協定ヲ遂ケ 相互ノ締盟關係ヲ一層緊密化シ 協定各國ノ對｢ソ｣威力 及 對英牽制力ヲ强化シ 以テ當面ノ支那事變解決ヲ迅速有利ニシ 且 我東亞經綸ノ進展ニ資セシムルヲ要ス
之カ爲 獨逸ニ對シテハ防共協定秘密附属協定ノ精神ヲ擴充シテ之ヲ對｢ソ｣同盟ニ導キ 伊太利ニ對シテハ主トシテ對英牽制ニ利用シ得ル如ク秘密協定ヲ締結ス
二、對 策
一､日獨同盟ノ締結
槪ネ左記ノ内容ニ依ル
同盟内容案
(一) 日獨兩國ハ現｢ソ｣聯政權ヲ以テ兩國々防上 及 世界平和保持上 許容シ難キ存在タルコトニ關シ共通ノ觀念ヲ有スルコトヲ確認ス
(二) 第一案
｢締約國ノ一方カ｢ソ｣聯ト開戰ノ已ムナキニ至リシ場合ニ於テハ 他ノ締約國ハ一方國ニ對シ爲シ得ル限リノ援助ヲ與フルモノトス
｢ソ｣聯ト紛爭ヲ生シ 又ハ之ヨリ脅威ヲ受ケタル場合 亦 同シ｣
第二案
｢締約國ノ一方カ｢ソ｣聯ト開戰ノ已ムナキニ至リシ場合ニ於テハ 他ノ締約國ハ直チニ｢ソ｣聯ト開戰シ 日獨協力シテ之ヲ處理ス
｢ソ｣聯ト紛爭ヲ生シ 又ハ之ヨリ脅威ヲ受ケタル場合ハ相互ニ爲シ得ル限リノ援助ヲ與フルモノトス｣
之カ爲 締約國ハ平時 相互ニ｢ソ｣聯二關スル情報ヲ通報スルノミナラス 締約國ノ何レカカ｢ソ｣聯ト戰爭ノ危機 又ハ紛爭ヲ生シ 又ハ之ヨリ脅威ヲ受ケタル場合ニ於テハ 相互協力 又ハ援助ニ必要ナル一切ノ事象ニ關シ協議ス
(三) 締約國ノ一方カ｢ソ｣聯 及 伊太利ヲ除ク第三國ト戰爭 又ハ紛爭ヲ生シ 又ハ之ヨリ脅威ヲ受ケタル場合ニ於テハ 他ノ締約國ハ相互ニ他ニ好意アル態度ヲ保持ス
(四) 本同盟ノ有效期間ハ五年トス
二､日伊協定ノ締結
槪ネ左記ノ内容ニ依ル
同盟内容案
(一) 締約國ノ一方カ獨逸外ノ第三國ト交戦スル場合ニ於テハ 他ノ締約國ハ相互ニ他方ニ最モ好意的ナル中立ヲ保持スルト共ニ 爾他列強ノ第三國側參戰ヲ防止スルコトニ努ム
之カ爲 締約國ノ何レカカ獨逸外ノ第三國ト戰爭ノ危險ヲ生スルニ至リシ場合ニ於テハ 他ノ締約國カ執ルへキ處置ニ關シ兩締約國ハ相互ニ協議ス
(二) 締約國ノ一方カ獨逸外ノ第三國ト紛爭ヲ惹起シ 又ハ之ニヨリ脅威ヲ受ケタル場合ニ於テハ 他ノ締約國ハ前項ノ趣旨ニ依リ相互ニ他ニ好意アル態度ヲ保持ス
(三) 本協定ノ有効期間ハ五年トス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B04013488700
（９）
１．対｢ソ｣外交工作要領 昭和13.6.21
２．時局に伴う対｢ソ｣謀畧
３．対英工作要領案
４．対米工作要領
５．対佛工作要領案 昭和13.6.22
【極秘】
対｢ソ｣工作要領案
昭和十三年六月二十一日
第五課
一､方針
｢ソ｣聯邦ニ對シテハ今次事變ニ參加セシメサル如ク諸般ノ工作ヲ實施ス
二､要領
一､武力的ニ對｢ソ｣彈撥力ノ保持增進ヲ圖リ 對｢ソ｣强硬ノ輿論ヲ喚起ス
二､謀略的手段ニ依リソ聯邦内部 特ニ｢ソ｣軍ノ攪亂ヲ策ス
三､ソ聯邦ノ不信行爲 及 實力ノ薄弱性ヲ海外 就中 英､米､佛ニ對シテ宣傳シテ 其國際的地位ヲ低落セシム
四､日獨伊防共勢力ノ强化擴充､英､米､仏､對｢ソ｣ノ離間ニ依リ 反｢ソ｣包圍政策ヲ具現ス
五､直接對｢ソ｣外交工作ハ 毅然タル態度ト不斷ノ迫力トヲ以テ之ニ臨ミ 彼ノ參戰 又ハ對支援助企圖ヲ封殺ス（細部別紙）
對｢ソ｣外交工作要領
昭和十三年六月二十一日
第五課
一､諸懸案一括解決問題ニ對シテハ是々非々主義ヲ以テ之ニ臨ミ 必スシモ之カ解決ヲ急カス
二､利權問題 及 領事館撤去强要問題ニ對シテハ毅然トシテ条約上ノ權利ヲ主張ス、之カ爲 多少ノ營利上ノ損失ハ已ムヲ得ス
三､滿｢ソ｣國国境衝突事件二對シテハ努テ滿｢ソ｣間ノ現地解決ニ依ラシムルモ 日本軍ニ關スル事件ハ東京ニ於テモ之カ解決ニ當ル、其態度ハ飽クマテ强硬ヲ旨トスルモ 事態ノ不擴大ヲ期ス
四､国境諸地点ノ帰屬問題ハ必スシモ之ヲ急カス
五､邦人邦船等ノ拉致 又ハ抑留問題ニ對シテモ 飽クマテ毅然タル態度ヲ以テ釈放ヲ要求ス、此際 誠意ノ認ムヘキモノアラハ 我方抑留｢ソ｣人 又ハ｢ソ｣船ヲ交換的ニ釈放スルモ支障ナシ 但 我方ヨリ和協的態度ヲ示スヘカラス
六､一般ニ｢ソ｣側ノ不法行爲ニ對シテハ 我方モ能フ限リノ報復手段ヲ採ル、但 終局ニ於テ實力行使ヲ決意スルヲ要ス
【極秘】
時局ニ伴フ對｢ソ｣謀略
方 針
｢ソ｣聯邦ノ對日積極的行動ヲ封止スル目的ヲ以テ 所要ノ謀略ヲ行フ
要 領
一､ソ聯邦ノ内部不安ヲ益々激化セシメテ對日積極的行動ノ自信ヲ喪ハシム
二､ソ聯邦ノ對外不信用ヲ誘發 暴露シ 列國トノ連衡ヲ困難ナラシム
【極秘】
對英工作要領案
方 針
帝國ハ事變解決ノ爲メ確乎タル決意ト其實相ヲ形而上下ニ亘リ具體的ニ顕ニ示シ 英國ヲシテ蔣政權ヲ放棄スルノ已ムナキ情勢ニ立入ラシム
施 策
一､漢口 次テ廣東ヲ攻略シ 對支連絡ヲ遮斷シ 且 英國ノ南方勢力ニ對シ武力的威嚇ヲ與フ
二､我國力 特ニ經濟耐久力ヲ充實シ 且 新興支那中央政權ノ確立 實現ヲ期ス
三､拜英的要人ヲ覺醒シ 自由主義者ニ依ル反戰思想ノ醸成ヲ警メ 又 對英出先外交經濟宣傳機關ヲ刷新シ 英國要路ニ我對支政策貫徹ニ關スル信念ト我實力トヲ認識セシム
四､無用ナル衝突ヲ避ケ 感情的小策ヲ弄セス 從テ在支權益等ニ關シテハ作戰 及 將來ノ政策ニ支障ナキ限リ處理シ 且 不期ノ摩擦ヲ防止スル如ク工夫ス
【極秘】
對米工作要領
一 方針
米國ヲシテ本事變間 中立的態度ヲ維持セシメ 特ニ經濟的友好關係ヲ持續セシム
二 施策
一､適切ナル宣傳 特ニ現實ノ事態ヲ事實ニヨリテ宣傳シ 對日觀ノ是正ニ努ム
為之 宣傳機關ヲ統合 强化シ 特ニ在米機關ヲ充實シ 實效アル方法ヲ採ルヲ要ス
二､米權益ノ保全ニツキ最善ノ努力ヲ拂フヲ要ス 為之
1. 損害ノ調査､復旧ニツキ處理ヲ迅速ナラシム
2. 布敎､敎育 及 通商再開ノ解決
3. 新政權ノ施政ニ於テ努メテ門戸開放ヲ妨ケサル如クスルコト
三､經濟的友好關係ノ維持增進ハ 對日觀ノ是正､特ニ米權益保全ノ事實ニヨリ獲ラルヘキモ 尚 各般ノ手段ヲ盡シ通商振興､米資導入ヲ計ルヲ要ス、就中 新政權地域ニ對スル米資導入ハ價値アリ
四､適時 外交的折衝ニヨリ 事變ニ關スル日米關係ノ調整ニ就キ工作ス 本工作ノ主眼ハ 米國ノ中立維持ニ於ケル旣成事實ヲ容認セシムルニ在リ
【極秘】
對佛工作要領案
昭和十三年六月廿二日
佛班
佛國ニ對国シテハ左記二項ヲ適宜按排活用シテ 佛國自ラヲシテ反蔣ニ轉向セシムルヲ第一義トスルモ 其反省セサルヤ 斷乎 威嚇工作ヲ敢行シテ反蔣親日ヘノ轉向ヲ圖ル
一､懐柔案
佛國ノ在支米權益 特ニ雲南､廣西等 支那西南部ニ於ケル利權ノ保證 並 助成ヲ交換條件トスル佛國ノ反蔣政策ヘノ轉向ヲ要望ス
二､威嚇案
佛國ニシテ依然 親蔣援支政策ヲ採ルニ於テハ 海南島ヲ占領シ雲南鐵道ヲ爆破シテ 之ヲ威嚇戰慄シテ反蔣親日ニ轉向セシム
三､仏｢ソ｣ノ離間ヲ圖ル
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538400
【極秘】
昭和十三年六月二十三日
軍務課
英､仏､蘇 三國共同シテ强制干渉ヲ
ナサントスル噂アルニ鑑ミ 之カ
[✕實現ヲ見ル場合ノ✕]對策＜案＞
方 針
干渉挫折ヲ策シ 成ラサレハ積極的ニ之ヲ排除シ 現戰爭指導ノ方針ヲ変更セス
對 策
一､全般的對策
(1) 干渉ニ關スル三國間提携ノ内情ヲ精査シ 其機微ニ對応スルノ策ヲ誤ラサルヲ要ス
(2) 速ニ防共軸ノ强化ヲ圖リ 獨､伊ヲシテ背後ヨリ牽制セシムルト共ニ我經濟的國防態勢ヲ確立ス
(3) 米國ヲシテ共同戰線ニ加入セシメサル如ク工作ス
(4) 共同結束ノ度ニ応シ 爲シ得レハ相互離間 就中 利ヲ以テスル英ノ離間ヲ策ス
(5) 干渉度濃化ヲ誘發セサル樣 愼重ナル注意ヲ拂ヒツツ 輿論ヲ喚起シ 國民ノ覺悟ヲ一層鞏固ナラシム
二､共同シテ抗議シ来ル場合
毅然トシテ之ヲ排擊シ 我決意ヲ示スト共ニ 主トシテ英､仏ニ對シ 集結ニ於テ我ニ抗スルコトノ不利ナル所以ヲ自覚セシム
三､共同シテ經濟的ニ壓迫使来ル場合
其兆候ヲ察知セハ 之ヲ機会トシテ國内經濟機構ノ戰時態勢化ヲ斷行シ､日､滿､北支ノ產業拡充､海外貿易ノ振興等 予定ノ經濟戰對策ヲ强化促進ス
四､共同武力ヲ以テ壓迫シ來ル場合
現戰争指導方針ニ準據シ 且 英､仏ニ對シテモ我國防威力圏内ニ於テ積極的ニ對応ス 此際 資源ノ獲得ヲモ考慮ス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538500
【極秘】今後ノ支那事變指導方針
昭和十三年六月二十四日
支那事變ノ直接解決ニ國力ヲ集中指向シ 槪ネ本年中ニ戰争目的ヲ達成スルコトヲ前提トシ 内外諸般ノ施策ヲシテ總テ之ニ即應セシム
【極秘】今後ノ支那事變指導方針
昭和十三年六月二十四日
五相會議決定
一、支那事變ノ直接解決ニ國力ヲ集中指向シ 槪ネ本年中ニ戰争目的ヲ達成スルコトヲ前提トシ 内外諸般ノ施策ヲシテ總テ之ニ即應セシム
二、第三國ノ友好的橋渡シハ 条件次第ニテ之ヲ受諾スルヲ妨ケス
↑https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B02030538600
JACAR(アジア歴史資料センター)
Ref.B02030537300
Ref.B02030537400
Ref.B02030537500
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Ref.B02030538000
Ref.B02030538400
Ref.B02030538500
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支那事変関係一件 第十四巻
(A.1.1.0.30)(外務省外交史料館)
JACAR(アジア歴史資料センター)
Ref.B02030685100
対支中央機関設置問題一件（興亜院）
(A.1.1.0.31)(外務省外交史料館)
JACAR(アジア歴史資料センター)
Ref.B04013488700
日独伊防共協定関係一件／防共協定強化問題
(B.1.0.0.J/X2-5)(外務省外交史料館)
分割１
